日本では多くの学校で、すべての教科を日本語で学び、英語の授業のときだけ英語を学ぶ、EFL(English as a Foreign Language/外国語としての英語)を採用。コミュニケーション能力を身に付けることを目標とし、日常的な英語表現を学ぶことに重点が置かれている。
一方、最近注目されているのが、一部の授業を社会の多数派言語(例:日本における日本語)で行い、ほかの授業を外国語(例:日本における英語)で行うCLIL(Content and Language Integrated Learning/内容言語統合型学習)。CLIL授業では、学習指導要領に基づき、さまざまな教科を第二言語(L2)で指導するため、EFL授業のみで英語を学ぶ子どもたちよりも、L2のインプット量が多くなる。また、EFL授業よりも、触れる言語の性質がよりアカデミックなものになり、言語使用に関与する認知能力のレベルが比較的高くなる。言語の学習がおもな目的ではないため、生徒は暗示的な言語処理を行う場合があり、自然な言語習得のプロセスにより近くなるという。
今回、IBSが取り上げた論文は「The development of receptive vocabulary in CLIL vs EFL: Is the learning context the main variable? (2020)(CLIL授業とEFL授業で比較する理解語彙の発達~学習状況はおもな影響要因か?~)」。詳しい内容は、IBSのWebサイトで紹介している。
《奥山直美》