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全教、緊急事態宣言受け「学校の感染症対策に関する緊急要請書」提出

 全日本教職員組合(全教)は2021年1月8日、1都3県に緊急事態宣言が発令されたことを受け、文部科学省に対し「学校における新型コロナウイルス感染症対策に関わる要請書」を提出した。感染症対策に関して必要な対策と予算措置を行うよう求めている。

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 全日本教職員組合(全教)は2021年1月8日、1都3県に緊急事態宣言が発令されたことを受け、文部科学省に対し「学校における新型コロナウイルス感染症対策に関わる要請書」を提出した。感染症対策に関して国が必要な対策と予算措置を行うよう求めている。

 今回の緊急事態宣言では、萩生田文科大臣が臨時休校について「文科省から学校に対して一斉休校を要請することは考えていない」としたことから、各学校が感染防止対策を行いながらひとりひとりの子どもたちを受け止め、教育活動を進めているという。しかし、学校において必要な感染防止対策をとるには多くの課題があり、同時に教職員が感染拡大の起点とならないような対策が急務であることから、2020年度第三次補正予算および2021年度政府予算の編成にあたり「学校における新型コロナウイルス感染症対策に関わる要請書」を提出した。

 要請書では、大きく6つの項目について政府の対応を要請している。「1.学校における感染拡大を防止するために必要な条件整備をおこなうとともに、必要な財政措置をおこなうこと」では、すべての学校・学年で20人以下での少人数授業が可能となるよう必要な加配教員を追加配置することや、必要な学習指導員、スクール・サポート・スタッフ、ICTアドバイザー、スクールカウンセラー等の大規模追加配置、必要なすべての子どもがPCR検査を受けることができる体制、すべての学校に養護教諭をただちに配置することなどを求めている。

 「2.新型コロナウイルス感染症の影響により収入が急変した子どもたちの学資を負担している者に対する財政措置」では、就学援助等の認定および学用品費、学校給食費の支給などの申請書提出に関して柔軟な対応を行うことや、入学料や授業料など学納金の納付が困難な者に対して入学料等の減免、減額および猶予を行うこと、「私立高等学校等に通う生徒等の家計急変世帯への授業料減免支援」を実施するとともに全額国負担とすること、などを要請し対応が可能となるような財政措置を行うことを求めている。

 そのほか、すべての教職員のPCR検査体制の確立、新型コロナウイルス感染症に係る緊急業務に従事する教職員に対する手当が支給されるよう必要な予算措置をとるといった「教職員の感染を防止するために必要な条件整備」や、「各学校の子どもの実態をふまえた教育課程編成の尊重」「高校生が安心して就職活動ができ就職してからも働き続きられるような対策」といった項目について要望を提出。今後、緊急事態宣言がさらに広域に発令される可能性も踏まえ、学校における感染防止対策を各自治体や学校まかせにするのでなく、国の責任でその実状を把握し、十分な予算措置をおこない、緊急に必要な対策をとることの重要性を訴えている。要請書の全文は全教Webサイトから見ることができる。
《畑山望》

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