富国生命保険は2020年9月24日、世界銀行傘下の国際復興開発銀行(IBRD)が23日に発行したサステナブル・ディベロップメント・ボンドへ投資したと発表した。総額7,000万米ドル(日本円で74億2,000万円相当)。債券投資を通じて、コロナ禍で浮き彫りとなった遠隔教育の格差解消の取組みを支援する。 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う学校閉鎖などにより、世界中の子どもたちの安全、健康、学習、社会性と感情の発達に悪影響が及んでいるという。各国が学校を再開する一方、世界で約10億人の生徒が今も登校できずにいる。また、遠隔学習の取組みが世界中に広がる中、「デジタル・ディバイド(情報格差)」により遠隔授業を受けられない貧困層では教育の質の格差が拡大している。 こうした状況を受け、世界銀行グループは開発途上国における教育支援プロジェクトを表明。インターネットへのアクセスと遠隔学習環境の拡大による学習方法の選択肢の増加、遠隔授業に対応する教員育成などを通じ、デジタル・ディバイドの解消に向けた加盟国の支援を目的に、サステナブル・ディベロップメント・ボンド(開発途上国における幅広い分野の開発プロジェクトを支えるために国際資本市場で発行される債券)を発行した。 今回、早くから子どもの支援に取り組んできた富国生命が、世界銀行の教育支援プロジェクトに賛同。債券の取扱証券会社にはモルガン・スタンレーMUFG証券が指名され、総額7,000万米ドル(日本円で74億2,000万円相当)全額を富国生命が購入した。債券の受け渡しと資金決済は発行同日の9月23日に完了。債券投資を通じて、コロナ禍における教育支援の重要性を発行体と投資家がともに提起するのは今回が初めてとなる。 償還までの期間は20年。利率は年率1.475%。富国生命は今回の債券購入について、「資金運用にあたり、収益性の確保のみならず、自社のCSR活動と親和性の高い社会貢献事業への支援も果たしうる手法であると位置づけており、今後も同様の投融資を継続的に実施していきたい」とコメントを寄せている。