文部科学省は2020年5月21日、学校の体育の授業におけるマスクについて、十分な呼吸ができなくなるリスクや熱中症になるリスクが考えられることから「マスクの着用は必要ない」との見解を各教育委員会などに示した。適切な対策を講じるよう求めている。 学校における基本的な感染症対策として、学校教育活動の際はマスクを着用し、特に近距離での会話や発話が必要な場面では、飛沫を飛ばさないようにマスクの着用を徹底することが適切である。 しかし、運動を行う際にマスクを着用する場合、十分な呼吸ができなくなるリスクや熱中症になるリスクが指摘されている。そこで、文部科学省は運動時のマスク着用による身体へのリスクを考慮して、「学校の体育の授業におけるマスクの着用は必要ない」との見解を示した。ただし、軽度な運動を行う場合や児童生徒がマスクの着用を希望する場合は、マスクの着用を否定するものではないとしている。 体育の授業における感染リスクを避けるため、体育の授業前後のマスクを外している時間は児童生徒間の距離を2m以上確保すること。ランニングなどで同じ方向に動く場合にはさらに長い距離を確保すること。体育の授業の前後に手洗いを指導することなどを求めた。 また、当面の間、地域の感染状況を踏まえ、体育の授業は熱中症事故の防止に留意しつつ可能な限り屋外で実施すること。屋内で実施する必要がある場合は、呼気が激しくなるような運動を行うことは避けること。体育館などのドアを広く開け、こまめな換気や消毒液の使用など、感染拡大防止のための防護措置を実施することなども求めている。