文部科学省は2020年4月17日、新型コロナウイルス感染症に対応した小学校・中学校・高等学校・特別支援学校における教育活動の再開などに関するQ&Aを更新した。遠隔授業で教材などの著作物をインターネットで送信する際の著作権に係る留意点や、学校臨時休業中の図書館利用について追記している。 文部科学省は、教育活動の再開などについて3月24日付けで通知し、3月26日付けで教育活動の再開などに関するQ&Aを公表した。今回、新たに遠隔授業などオンラインでの指導において、著作物をインターネットで送信する際の著作権に係る留意点や、学校臨時休業中の図書館の利用について、追加の問い合わせがあったためQ&Aを更新した。 オンライン指導の際に著作物をインターネットで送信するには、原則として著作権者の許諾を得る必要がある。2018年の著作権法改正により、学校の設置者が一括して補償金を支払うことで、個別の許諾を要することなくさまざまな著作物を円滑に利用することができる制度「授業目的公衆送信補償金制度」が創設された。 授業目的公衆送信補償金制度は、新型コロナウイルス感染症に伴う緊急的な対応として、当初の予定を早め、2020年4月28日に施行することとなった。また、2020年度に限り特例措置として、補償金は無償とする。これにより、4月28日以降、たとえば、予習・復習・自宅学習用の教材をメールで送信することや、リアルタイムでのオンライン指導やオンデマンドの授業において、講義映像や資料をインターネットで児童生徒に限り送信することが可能となる。ただし、学校での購入が想定されるドリル・ワークブックをそのまま送信するなど、著作権者の利益を不当に害する行為は認められない。なお、2020年度の具体的な運用指針(ガイドライン)は、「著作物の教育利用に関する関係者フォーラム」のWebサイトに掲載されている。 学校臨時休業中の図書館利用については、学校休校中は児童生徒が図書館を訪れる可能性が高いことから、各地域の状況に適した感染拡大を防ぐ対応を図ることを求めている。感染拡大防止のための対策を講じながら、「公共図書館や学校図書館の休館中においても、電話やインターネットで予約した本の貸出や、自宅への郵送サービス等を行う」「図書館のホームページで読み聞かせ動画コンテンツを公開」などの取組みを紹介している。 なお、Q&Aは4月17日時点の情報であり、今後の状況に鑑み更新の可能性もあり得るという。