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タブレットを導入している高校は48%…旺文社調査

 タブレット型PCを1台以上導入している高等学校は48.0%と約半数にのぼることが、旺文社が2020年2月21日に発表した調査結果より明らかになった。スマートフォンなど生徒の私物端末を教育利用する「BYOD」利用校も2割超と増加している。

ICT機器 授業
ICT機器(共用含む)の導入・使用状況
  • ICT機器(共用含む)の導入・使用状況
  • 校内ネットワーク環境の整備状況
  • 校内での生徒私有のモバイル端末使用について
  • タブレット型PC導入校における配備状況
  • タブレット型PC導入予定校における配備見通し内訳
  • タブレット型PCの活用状況に対する意識
  • タブレット型PCの活用における課題
  • ICT活用の必要性を感じるポイント
 タブレット型PCを1台以上導入している高等学校は48.0%と約半数にのぼることが、旺文社が2020年2月21日に発表した調査結果より明らかになった。スマートフォンなど生徒の私物端末を教育利用する「BYOD」利用校も2割超と増加している。

 全国の高等学校におけるICT活用状況についての調査は、高等学校現場におけるICT機器の導入ならびにICT関連サービスの活用状況の実態を調べ、導入拡大・継続運用のための課題や、今後必要とされるサービス内容を把握することが目的。全国の国公私立高等学校(中等教育学校を含む/高等専門学校・高等専修学校を除く)計5,124校にアンケートを送付し、1,494校から回答を得た。調査時期は2019年12月上旬から2020年1月上旬。

 高等学校におけるICT機器の導入・使用状況は、「大型提示装置(電子黒板・プロジェクターなど)」81.0%が最多生徒自身が使用する端末の導入率は「生徒用のPC端末(タブレット型)」48.0%が、昨年(2019年)調査から大きく増加した。

 無線ネットワークの整備について、エリアの大小に限らず「無線でのネットワークを使用できる」と61.4%が回答。このうち、「校内のどこでも無線のネットワークを使用できる」16.4%、「校内の通常教室で無線でのネットワークを使用できる」15.8%が、昨年に比べて大幅に増えている。

 高等学校におけるICT機器の導入・使用状況において、昨年利用率が顕著に増えた「生徒の私物端末(スマートフォン・PCなど)」は、今回調査でも昨年より4.2ポイント増えて23.5%。高等学校における生徒私有のモバイル機器端末(スマートフォンなど)の使用について、「学習などの目的であれば校内で自由に使用できる」は19.7%と、一昨年(2018年)の調査から倍近くにまで伸びていた。「校内で自由に使用できる」16.0%と合わせると、生徒の私物端末の教育的利用が可能な高校は35.7%となった。

 校内でスマートフォン使用制限が緩和され、学校配備端末の代わりに生徒が使い慣れた私物端末を利用する「BYOD」によって、導入端末のコストをかけずにICT活用のメリットを創出できる可能性が広がるという。

 タブレット型PCの配備状況は、「生徒1人1台配備」21.3%。昨年比2.0ポイント増と、過去最多の規模に拡大している。「生徒1人1台配備」の割合は、国公立校5.4%、私立校43.8%と、私立校の方が圧倒的に多かった。今後の導入予定は、48.3%が「生徒1人1台配備」を見込んでいる。

 タブレット型PC導入校の活用状況は、「十分活用できている」「まあまあ活用できている」が昨年よりも5.3ポイント少ない62.4%。新規の端末導入率が上がり、導入校の回答母数が増えたことで、活用に対する意識傾向の揺り戻しが見られた。また、端末の活用にあたり感じる課題は、「教員の活用スキルの引き上げ」77.4%、「活用に適した場面に見きわめ」37.6%など、教員側の課題意識の高まりがうかがえた。また、「生徒1人1台利用」や「BYOD」導入が進んだことで、「生徒の情報モラル向上」49.2%、「情報セキュリティ対策」35.5%を課題にあげる声も多かった。

 ICT活用の必要性を感じるポイントは、「映像授業・動画視聴」70.4%がもっとも多かった。「アクティブラーニング」53.3%にも回答が集まり、授業内容の変化・深化のために、ICT活用が求められていることが推察される。ほかにも、「校務負担の軽減」53.4%、「教材のペーパーレス化」44.6%にも回答が集まった。
《外岡紘代》

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