日本女子大学の附属機関である現代女性キャリア研究所は2026年9月11日、韓国のソウル市女性家族財団と、女性や家族、少子化関連の政策分野における協力推進に関する協定を締結した。両者の専門性や政策経験に基づき、国際協力や学術・情報交流などの協力枠組み構築を目指す。
同協定は、女性、家族、ケアおよび少子化関連政策分野において、両当事者それぞれの専門性および政策経験に基づき、国際協力、政策交流、学術・情報交流、ならびに共同事業推進のための協力枠組みを構築することを目的とする。
今後の具体的な取組みには、「女性、家族、ケアおよび少子化関連課題に関する政策および優良事例の共有」「韓国および日本の専門家・政策関係者間の交流促進ならびに国際協力ネットワークの構築」「研究報告書、政策資料、統計データなどを含む学術・政策情報の交換」「女性のキャリア形成、ワーク・ライフ・バランス、ケア政策など、関連分野における交流事業の推進」「日韓国際フォーラムおよび共同プログラムの企画・運営における協力」のほか、両者が必要と認める協力事業の実施をあげている。
ソウル市女性家族財団の理事長である李明善氏は、協定締結に際し、「女性の生き方やキャリア、家族やケアを取り巻く課題に適切に対応するためには、各国がこれまで蓄積してきた政策経験と現場の知見を共有し合う国際協力が、これまで以上に重要である」との考えを強調。
現代女性キャリア研究所の所長である永井暁子氏(人間社会学部社会福祉学科教授)は、女性の就業をめぐる両立政策と均等政策について、「女性が安定した生活を送り、社会的に活動を続けていくために重視されていた政策」と説明。女性や家族を取り巻く課題が複雑化し、日韓両国の政策も変化するなか、「ソウル市女性家族財団と日本女子大学現代女性キャリア研究所がパートナーシップを結ぶことにより、女性のみならず、人々が暮らしやすい社会の実現に貢献する可能性を信じ協力してまいります」と述べた。
協定締結を記念し、同日には日本女子大学目白キャンパスで「2026年日韓少子化対策共同フォーラム」を開催した。前 内閣官房人口戦略本部・全世代型社会保障構築本部事務局の統括事務局長である山崎史郎氏が「日本の少子化と日韓交流の意義」をテーマに基調講演を行った。
続いて、日韓双方の視点から「少子化に対応するワーク・ライフ・バランス施策」「少子化時代におけるケア危機―課題と対応」「持続可能な社会に向けた女性就業政策」の3テーマについて発表。後半には、ワーク・ライフバランス代表取締役社長の小室淑恵氏による特別講演のほか、日韓の研究者による総合討論も行われた。
ソウル市女性家族財団は、「ソウルをジェンダー平等と幸福の街にする」をミッションとし、韓国の少子化や社会変化に対応する女性と家族の支援に取り組むシンクタンク。ジェンダー平等政策の基盤強化や低出生率に対処する環境づくりなど、幅広い分野で政策調査やプロジェクトを行っている。
一方、現代女性キャリア研究所は、日本女子大学における女性教育の伝統と理念のもと、現代の女性とキャリアを取り巻く諸問題を調査研究し、その成果を広く発信している。







