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【EDIX2026】Copilot+ PCで教育の未来を体感する

 2026年5月13日から15日まで開催されたEDIX東京2026で、マイクロソフトはラインアップを拡充したCopilot+ PCや教育向けAIソリューションを出展。会場では導入事例やAI活用のセッションも行われ、来場者の関心を集めた。

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2026年5月13日から15日までの3日間開催された「EDIX東京2026」のマイクロソフトブースのようす
  • 2026年5月13日から15日までの3日間開催された「EDIX東京2026」のマイクロソフトブースのようす
  • 日本マイクロソフト Windowsデバイスセールス Commercial デバイスソリューション&セールス マーケティング本部 販売推進部長の宮本依里子氏
  • デバイスエリアにはOEM7社とSurfaceを合わせた合計8メーカー・16台のCopilot+ PCが展示された
  • 展示された8メーカー。レノボ・ジャパン/NECパーソナルコンピュータ(左上)、サードウェーブ/Dynabook(右上)、デル・テクノロジーズ/日本HP(左下)、ASUS JAPAN/日本マイクロソフト(右下)
  • 会場では『教育現場のAI活用術』の冊子2種類(校務編/授業編)が配布された
  • リコール利用時には毎回、Windows Helloなどによる本人認証が必須
  • 曖昧なイメージでも必要な情報を探し出すことができる
  • 選択してクリックするだけで起動する

 EDIX東京2026が、2026年5月13日から15日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された。マイクロソフトは、ラインアップを拡充したCopilot+ PCをはじめ、教育機関を支えるセキュリティ、児童生徒の学びを可視化するデータ活用、学習や校務を支援するAIソリューションなどを出展した。

 会場に設置されたブースでは、自治体や教育機関による先進事例の紹介や、マイクロソフトのAIへの取組みを伝えるセッションも多数実施され、多くの来場者が熱心に耳を傾けていた。来場者は同社スタッフとの交流を通じて、教育現場におけるAI活用の可能性に触れていた。日本マイクロソフト Windowsデバイスセールス Commercial デバイスソリューション&セールス マーケティング本部 販売推進部長の宮本依里子氏に、Copilot+ PCのデモを交えながら、未来の教育への期待について話を聞いた。

触れて実感する教育の未来

 マイクロソフトは今回、『いまから触れる。未来へつなげる。Future-Ready Skills』をテーマに出展。宮本氏は「パソコン上にAIを搭載してローカルで処理できるものを“エッジAI”とよんでいますが、今回のEDIXでは多くの事例を紹介する中央ステージを境に、クラウドAI(Microsoft 365 Copilot)を中心としたソリューションエリアとエッジAI(Copilot+ PC)のデバイスエリアの2つに分けて、実際に触れることで教育の未来につながる体験をしていただいています」とコンセプトを語った。

日本マイクロソフト Windowsデバイスセールス Commercial デバイスソリューション&セールス マーケティング本部 販売推進部長の宮本依里子氏

 なおデバイスエリアでは、OEM7社(ASUS JAPAN/デル・テクノロジーズ/Dynabook/日本HP/レノボ・ジャパン/NECパーソナルコンピュータ/サードウェーブ)とSurfaceを合わせた合計8メーカー・16台のCopilot+ PCを展示。

デバイスエリアにはOEM7社とSurfaceを合わせた合計8メーカー・16台のCopilot+ PCが展示された

 多くの来場者が各社の端末に実際に触れて操作しながら、エッジAIの使い方や特長を体感していた。

展示された8メーカー。レノボ・ジャパン/NECパーソナルコンピュータ(左上)、サードウェーブ/Dynabook(右上)、デル・テクノロジーズ/日本HP(左下)、ASUS JAPAN/日本マイクロソフト(右下)

Copilot+ PCが教育を支える理由

 Copilot+ PCは、CPU・GPUにつぐAI処理に特化したNPUとよばれる第3のチップを搭載している。マシンの中でAIを駆動させるため、大規模なデータを必要とするものでなければAIによる処理はローカルで実行できる


 インターネットにつなぐ必要もなく、データセンターに情報を取りにいくこともないので、たとえば、教育機関では外部に出したくない児童生徒の成績や生活などの機微情報の扱いもPCの中で完結できる。また法人向けと教育機関向けで利用できる機能はほぼ共通しており、次に紹介する基本機能は、追加ライセンス不要でCopilot+ PCを購入すればすぐに利用できるという。

検索した内容を記憶して呼び起こす「リコール」

 「リコール」は、Copilot+ PC上で行った操作を、AIが5秒ごと(間隔は変更可能)にスクリーンショットとして記録し、画像認識やキーワード検索によって後から呼び出せる機能だ。学校現場では、面談準備や教材作成、会議資料などを素早く検索・参照できる利便性が期待される。一方で、扱うデータには個人情報を含むケースも多く、高い機密性が求められる。そのため、リコール利用時には毎回、Windows Helloなどによる本人認証が必須となっている。

リコール利用時には毎回、Windows Helloなどによる本人認証が必須

 リコールでは、過去にPC上で行った操作を時系列で振り返ることができる。直近1、2日程度に閲覧した内容であれば、簡単に探し出せるほか、いつ見たのか覚えていない場合でも、履歴検索によって探し出すことができる。また写真などの画像は、「◯◯が映っている写真」といった曖昧なイメージで探し出すことができる。過去の資料や写真をいかに短時間で探し出し、さまざまな業務の準備を効率良くできるかが、Copilot+ PCを校務で活用する重要なポイントになるだろう。

曖昧なイメージでも必要な情報を探し出すことができる

 「リコールはアプリケーション単位で検索をしなくて済むこともメリットのひとつです。たとえば、誰かとのやり取りで受け取ったデータについて、『メールだったのかTeamsだったのか』『どこに保存したのか』がわからなくなった場合でも、相手の名前やファイルの内容といった曖昧な情報を入力することで、アプリケーションを横断して検索結果を表示できます」(宮本氏)。

リアルタイムで同時翻訳できる「ライブキャプション」

 「ライブキャプション」は、音声をリアルタイムで文字化し、日本語を含む複数の言語を英語などへ翻訳して表示できる機能だ。たとえば、日本語でのコミュニケーションが難しい保護者との面談や、文字による補助が理解支援につながる児童生徒への授業など、学校現場でのさまざまな活用が期待される。

 通常のWindows 11にも音声の文字起こし機能は搭載されているが、Copilot+ PCのライブキャプションは、音声をリアルタイムで翻訳して字幕で表示できる点が特徴となる。マイクに向かって話した日本語を英語で即時表示できるほか、Teams会議やZoom、YouTubeなど、PC内で再生される音声についても翻訳表示が可能だ。

選択してクリックするだけで起動する

 5月21日現在、日本語を含む40以上の言語から英語へ、27言語から中国語(簡体字)への翻訳に対応している。また、ローカルのPCで処理するため、インターネットにつながらない場所でも使える点は大きなメリットといえるだろう。

 「データセンターに情報を取りにいかないため、遅延が非常に少ないことも魅力です。教員が話した日本語を、そのまま日本語の字幕として表示することもできるため、聞き取りに難しさを感じる方や、文字で見たほうが理解しやすい方への支援にも役立つと思います。実際に、大学での講義中にライブキャプションを常時オンにして、字幕をディスプレイへ表示している教員もいらっしゃいます」(宮本氏)。

 昨今増加している日本語でのコミュニケーションが難しい海外ルーツの保護者の方との面談で、先生をおおいに助けてくれるツールになるはずだ。

画像や絵を生成できる「コクリエーター」

 「コクリエーター」は、Copilot+ PC上でテキストによる指示をもとに画像を生成できる機能。簡単な言葉でイメージを入力するだけで、用途に応じたイラストや挿絵を短時間で作成できる。教育現場では、教員が保護者へのお便りや掲示物に使用する挿絵を効率的に作成できる。これまで必要だった無償素材や著作権フリー画像の検索にかかる手間を減らし、校務の効率化につながる。

 また、Copilot+ PCにはコクリエーターとは別に、フォトなどでAIによる画像編集機能もある。写真内の不要な要素を消すことも可能で、資料作成の品質向上に期待できる。

個別最適な学びを実現する「ラーニングゾーン」

 Copilot+ PCだけの機能として「ラーニングゾーン」という教育系のアプリケーションがある。アメリカで先行して展開しているサービスで、教科書やこれまで作成した資料などの各種データを投入することで、オリジナルのドリルを作ることができるというものだ。

 アメリカ合衆国教育省が認定する情報に則って、教材の内容が適切かどうかを判断する仕組みになっている。およそ5分でドリルを生成し、問題やテストを作成する手間を大幅に削減する。

 ラーニングゾーンでは、子供たちが問題に取り組む前に学習内容を確認し、その後に問題に挑戦することで、自身の理解度をその場で確かめながら学習できる。採点もリアルタイムで行われるため、問題作成から採点、指導、分析までの一連のプロセスが簡素化され、教員の負担軽減にもつながる。

「ラーニングゾーン」の画面。アメリカで先行して展開しているサービスで、今後の日本展開が期待される

 「ラーニングゾーンは、これまで先生が蓄積してきた教材をもとに、簡単に問題を作成できる点が特長です。作成したドリルはTeamsを通じて児童生徒に配布でき、子供たちは自分のペースで取り組みながら学習を進められます。また、子供ひとりひとりのレベルに応じて問題を設定できることもメリットだと考えています」(宮本氏)。

来場者から寄せられたエッジAIの利点

 あらゆる教育機関において今、教員の時間の創出が喫緊の課題となっている。煩雑な校務をAIやテクノロジーを用いて効率化し、生徒と向きあう時間の質を高める。その実現に、Copilot+ PCは最適なパートナーだ。「Copilot+ PCに触れていただいた来場者の多くが、その機能に驚かれます。また、Copilot+ PCに関するセッションは超満員でした」と、宮本氏は来場者のCopilot+ PCに対する関心の高さを実感していた。

 教員の中には、校務で児童・生徒の情報を扱うことになお不安を感じるという声もあるという。宮本氏は「ローカルで『エッジAI』を使えば、セキュリティが強化されるとお伝えすると、非常に興味をもっていただけます」とCopilot+ PCのセキュリティ面への反響の大きさを説明した。

 「クラウドのMicrosoft 365 Copilotとの違いについては、よく質問をいただきます。クラウドはインターネットを介してデータをやり取りしますが、厳格なセキュリティポリシーのもとで運用しています。それでも教育現場では、より安全・安心に利用したいというニーズがあります。そうした場合には、エッジAIを活用できるCopilot+ PCをお勧めしています」(宮本氏)。

 Copilot+ PCでは、インターネット環境がなくても使用できるAI機能が数多くあるため、学校内はもちろん、職員室や教室の外で行う活動でも問題なく利用できる。また、Copilot+ PCは、教員の1日の業務をこなすのに十分なバッテリー駆動時間も特長で、電源の確保が難しい場合でも安心して利用できる。

Copilot+ PCは未来への投資

 「Copilot+ PCのような新しいデバイスの購入は、未来への投資だと捉えてほしいと思います」と宮本氏は語る。PCは一度導入すれば3~5年は使い続けるものであり、その意味でも少なくとも導入後、数年の教育現場の在り方を見据えた選択が求められる。また現在の社会では、AIをいかに安全かつ効果的に活用するかが重要なテーマとなっており、次に買い替える際にはAIを前提としたPCを選ぶことは必要不可欠と考えられる。

 現在でもすでに標準的なマシンと価格面で大きな隔たりはなく、教員の業務時間を削減できる点を考えれば、費用対効果は高い。まずは簡単な用途から活用していくことで、日々の校務の効率化につながり、その積み重ねは校務の負担軽減を実現するだろう。

 また、Copilot+ PCは今、おもに教員の活用が想定されているが、いずれ生徒への展開も進むことが想定される。特に高校生や大学生では、ノートをとることの効率化などを通じ、思考や創造に時間を割く学びへの変化が期待できる。デバイスを入れたら終わりではなく、AIを前提とした環境の中で、子供たち自身がその活用方法を考えながら、より質の高い学習体験を得ていくことが重要となっていく。

 「カタログを見ているだけではわからないので、私たちはタッチ&トライに力を入れています。そうした機会を通じて、機能性への驚きや、これまでとは違うといった感動、『これなら校務が変わって教育現場の未来が見える』といった共感をもっていただけたらと思います」(宮本氏)。


 Copilot+ PCは今後、主流のデバイスとなる。新しいテクノロジーに触れ、体験し、それを日々の授業や校務の中でどのように活用していくかを具体的に考えて実践していくことが、これからの教育現場においては必須となる。さらに、AIを前提とした環境に適応し、教員自身のスキルや発想をアップデートしていくことも、今後の教育の質を高めるうえで重要な要素となるだろう。

Copilot+ PC特集はこちら
《佐久間武》

佐久間武

早稲田大学教育学部卒。金融・公共マーケティングやEdTech、電子書籍のプロデュースなどを経て、2016年より「ReseMom」で教育ライターとして取材、執筆。中学から大学までの学習相談をはじめ社会人向け教育研修等の教育関連企画のコンサルやコーディネーターとしても活動中。

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