東京大学は2026年4月8日、医学系研究科・医学部附属病院の不祥事を受け、全学的なガバナンス改革案を発表した。附属病院は医学部から切り離し本部直轄とするほか、独立監査を導入し、実効性あるリスク管理体制の確立を目指す。
リスクガバナンスは、「ポリシー」「組織体制」「プロセス」「危機管理対応」「リスクカルチャー」の5つの観点で構成。従来の部局任せの体制から脱却し、複数の階層で管理・牽制する「三線防衛」を軸に据える。あわせて、リスク・コンプライアンス統括部や専任のCRO(最高リスク責任者)を設置し、全学的な体制を構築する。
これまで医学部に紐付いていた附属病院は、大学が直接運営に関与し、責任を負う体制に強化。病院内のリスク情報を本部に迅速に共有し、意思決定を速めるねらいだ。汚職の舞台となった社会連携講座などの設置審査では、相手企業のデューデリジェンス(信頼性確認)や利益相反(COI)審査を実質化する。さらに、「資金の入金がなければ研究を開始できない」というルールを徹底し、不透明な資金運用を排除する。
一方、不正に関与した場合には個人への処分にとどまらず、所属する診療科や講座などの組織に対しても、外部資金の受け入れ停止や予算配分の減額といった懲罰を課す方針。教員の懲戒手続プロセスには、弁護士などの専門家を委員として参画させる。
今後は改革の透明性を高めるため、外部有識者による評価を含め、3か月(四半期)ごとに定期報告を実施して進捗状況を公表していく計画だ。











