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文科省、学校統廃合の手引を10年ぶり改訂へ…広域化・総合化・現代化が柱

 公立小学校・中学校がそれぞれ1校のみとなる「1小1中」自治体が増加する中、文部科学省は既存の手引き「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引」の更新に向けた検討を進めている。

教育行政 文部科学省
「令和の日本型学校教育」を推進する学校の適正規模・適正配置の在り方に関する調査研究協力者会議議論のまとめ 概要
  • 「令和の日本型学校教育」を推進する学校の適正規模・適正配置の在り方に関する調査研究協力者会議議論のまとめ 概要
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 公立小学校・中学校がそれぞれ1校のみとなる「1小1中」自治体が増加する中、文部科学省は既存の手引き「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引」の更新に向けた検討を進めている。

 少子化が急速に進むなかで、日本の公立小中学校を適切な規模・配置へと見直すため、新たな指針の必要性が高まっている。文部科学省の有識者会議は、既存の手引き改定に向け検討を進めており2026年3月26日、「議論のまとめ」を公表した。

 2015年(平成27年)に策定された現行の手引きで示されている標準的な学級規模(小・中学校ともに12学級以上18学級以下)など、基本的な考え方は継承する。一方で、単独自治体内での統合だけでは適正規模の確保が難しい場合には、市町村の枠を越え、周辺自治体と連携した広域的な検討を促す。統合にあたっては、教育委員会に加え首長部局とも連携し、まちづくりや交通(スクールバス)、福祉、防災などの視点を一体的に考慮するほか、ICTの活用や「主体的・対話的で深い学び」といった教育課程にも対応した配置・規模を想定。「広域化」「総合化」「現代化」の3つの観点から手引きの改定を進める方針だ。

 文部科学省は、学校が児童生徒を育む教育の場であることを検討の大前提とし、「統合」「存続」のいずれを選択する場合でも、児童生徒のメリットを最大化し、デメリットを最小化する支援策の実施を求めている。

 統合せず小規模校を維持する場合は、低学年のみ近くの「分校」に通う弾力的な配置、複数校を1人の校長が管理する「統括校長制度」や、事務を共同で行う「共同学校事務室」の設置による運営の効率化、一般の公共交通機関と連携したスクールバスの運営などの工夫を盛り込む。一方、統合する場合は、校舎を社会体育施設、図書館、放課後児童クラブなどと複合化・共用化し、地域コミュニティの核として維持する手法などをあげている。

 通学条件の目安については、従来の徒歩距離に加え、酷暑(熱中症対策)や集中豪雨といった気象条件の変化も考慮する。また、「こども基本法」に基づき、当事者である児童生徒の意見も反映していく。

 今後、文部科学省は実行段階までのロードマップ(行程表)を策定し、新たな指針を示すとともに、自治体の課題に対応するための相談窓口の設置や、全国の好事例の共有などを通じた伴走支援を強化していく方針だ。

《川端珠紀》

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