教育業界ニュース

中学校35人学級、28年度には3,800室超の教室不足…文科省調査

 文部科学省は2025年12月24日、「中学校35人学級の実施に伴う教室確保の状況に関する調査」の結果を公表した。2026年度から段階的に導入される中学校35人学級の実施にあたり、2026年度は約1,700室、2028年度には約3,800室の対応教室が必要となる。

教育行政 文部科学省
中学校35人学級の実施にともなう教室確保の状況に関する調査結果
  • 中学校35人学級の実施にともなう教室確保の状況に関する調査結果

 文部科学省は2025年12月24日、「中学校35人学級の実施に伴う教室確保の状況に関する調査」の結果を公表した。2026年度から段階的な導入が想定されている中学校35人学級を実施するにあたり、2026年度には約1,700室、2028年度には約3,800室まで新たに対応教室が必要となる見込みとなり、自治体における施設面の課題が明らかになった。

 調査は、35人学級の実施にともなう公立中学校の普通教室の確保状況を把握することを目的に、9月から10月にかけて実施した。全都道府県を通じて市区町村立中学校および都道府県立中学校を対象に行われ、2026年、2027年、2028年の各年4月1日時点の状況について、調査時点で自治体が推計した内容をもとにまとめている。このため、今後の生徒数動向や学校再編などにより、状況が変更となる可能性があるとしている。

 調査結果によると、35人学級の導入により新たな教室対応が必要となる「要対応室数」は、2026年度時点で1,679室、2027年度には2,814室、2028年度には3,851室に増加する見通しとなった。2026年度はおもに中学1年生のみが対象となり、その後、年度ごとに対象学年が増えることで要対応室数が拡大する見込み。要対応室が発生する学校数も、2026年度は1,463校、2027年度は2,165校、2028年度は2,403校と年々増加する。一方で、中学校数は2026年度の9,227校から2028年度には9,126校へと減少し、学校規模や地域によって影響に差が生じている状況がうかがえる。

 対応方法としては、余裕教室や特別教室などを普通教室へ転用する対応が大半を占め、2026年度で1,453室、2028年度では3,161室が転用による対応でまかなうとしている。新増改築による対応は限定的で、2028年度時点でも36室にとどまっている。一方、対応方法が未確定の教室は2026年度で202室、2028年度には610室にのぼり、当該年度に対応が困難な教室も2026年度で6室、2027年度で12室となるなど、明確な課題も浮かび上がっている。

 文部科学省は、対応方法が未確定となっている教室について、年明け以降に自治体へ再度確認を行うとしている。2026年度からの中学校35人学級を円滑に実施するため、必要な取組みを進める方針であり、今後も自治体と連携しながら対応するとしている。

《畑山望》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top