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国家資格「登録日本語教員」の認知度わずか14%

 キャリアバディは2025年12月3日から4日にかけて、国内在住者200名を対象に「日本語教師に関する認知度調査アンケート」を実施した。日本語教師の存在は77.5%が認知する一方、国家資格「登録日本語教員」の認知度は14%にとどまり、制度の周知が課題となっている。

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国家資格「登録日本語教員」を知っていますか?
  • 国家資格「登録日本語教員」を知っていますか?
  • 日本語教師の存在を知っていますか?
  • 日本語教師の仕事をどの程度知っていますか?
  • 日本語教師として働くために教員免許は必要だと思いますか?

 キャリアバディは2025年12月3日から4日にかけて、国内在住者200名を対象に「日本語教師に関する認知度調査アンケート」を実施した。日本語教師の存在は77.5%が認知する一方、国家資格「登録日本語教員」の認知度は14%にとどまり、制度の周知が課題となっている。

 調査はインターネット調査(クラウドワークス)で実施。回答者の年代別内訳は、20代8.0%、30代35.5%、40代38.5%、50代13.5%、60代以上4.5%。

 「日本語教師の存在を知っていますか」という質問に対し、「よく知っている」が9.0%、「なんとなく知っている」が68.5%と、あわせて77.5%が日本語教師という職業を認知していることがわかった。「ほとんど知らない」は19.0%、「まったく知らない」は3.5%だった。

 一方、「日本語教師の国家資格『登録日本語教員』を知っていますか」という質問では、「よく知っている」が0.5%、「なんとなく知っている」が13.5%と、あわせて14%にとどまった。「ほとんど知らない」が32.0%、「まったく知らない」が54.0%を占め、職業としての認知度の高さとは対照的に、国家資格制度の認知度は極めて低い結果となった。

 2024年4月に創設された「登録日本語教員」は、日本語教育の質の向上と社会的認知の拡大を目的とした国家資格。制度開始から間もないこともあり、一般への浸透は十分とは言い難い状況が浮き彫りになった。

 「日本語教師の仕事をどの程度知っていますか」という質問では、「よく知っている」が2.5%、「なんとなく知っている」が43.5%だった一方、「ほとんど知らない」が44.0%、「まったく知らない」が10.0%と、あわせて54%が仕事内容をほとんど理解していないことが明らかになった。日本語教師という職業の存在は広く知られているものの、具体的な業務内容や役割については十分に理解されていないようだ。

 「日本語教師として働くために教員免許は必要だと思いますか」という質問には、「必要だとおもう」と回答した人が47.5%にのぼった。実際には、認定日本語教育機関で教員として働くためには「登録日本語教員」の資格は求められるものの、教員免許は必要ない。登録日本語教員養成機関(通称:日本語教師養成講座)を修了することで、未経験の人でも国家試験に挑戦することができる。しかし、約半数が「教員免許が必要」と認識しており、日本語教師という職業に対して、資格要件に関する誤解が広く存在している実情が明らかになった。

 日本語教育の需要は、在留外国人の増加や国際交流の拡大とともに今後さらに高まることが予想される。制度の普及が遅れれば、教育現場における人材不足を招き、ひいては日本語教育の質にも影響を及ぼす可能性があり、行政・教育機関・民間事業者が連携して、制度の周知や正確な情報提供を進めていくことが不可欠になる。キャリアバディマガジンは、引き続き日本語教師および日本語教育業界の最新情報を発信し、教育現場と学習者双方にとって適切な情報が届くよう、情報提供に努めるとしている。

 調査結果の詳細は、キャリアバディマガジンWebサイトで確認できる。

《吹野准》

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