岡山大学は、岡山県真庭市と連携して「真庭サテライトキャンパス」を設置することを決定し、2025年7月30日に覚書を締結した。このキャンパスは、木材・林業・木造建築に関する教育・研究の拠点として機能する予定。
岡山大学と真庭市は、林産業が盛んな岡山県北部において、木材・林業・木造建築に関する教育・研究拠点を創設するため、2020年7月に構想検討委員会を発足し、検討を重ねてきた。2022年4月には包括連携協定を締結し、グリーンイノベーションセンターを中心に地域の企業や関係団体の協力を得て、木材に関する人材育成や地域活性化に寄与する研究活動を展開してきた。
2024年3月に岡山県立真庭高校久世校地が閉校した後、その跡地の一部を「木材・林業・木造建築に関する教育・研究ゾーン」として利活用する方針が示され、今回の真庭サテライトキャンパス設置が決定した。
締結式では、岡山大学の那須学長と真庭市の太田市長が覚書に署名し、固い握手を交わした。那須学長は「真庭サテライトキャンパスを拠点に、県北の地域資源を生かした教育・研究活動を展開し、その成果を国内外に発信したい」と述べ、さらに「県内を中心に林業・木材・木造建築関連産業の振興に貢献していきたい」と意気込みを語った。
一方、太田市長は「この取組みは、地域に人が集い学び、働く循環を生み出すことで、人口減少が進む中山間地域における活力の再生、地域雇用の創出、そして持続可能な経済循環の実現にも寄与するものと確信している」と述べ、期待を示した。