科学技術振興機構(JST)は2025年4月30日、「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」における2025年度の採択機関を発表した。採択機関は、室蘭工業大学、群馬工業高等専門学校、お茶の水女子大学、広島大学の4機関。今回の採択により、全国11拠点で女子中高生の理系進路支援が実施される。
第6期科学技術・イノベーション基本計画では、研究のダイバーシティーの確保やジェンダード・イノベーション創出に向け、中高生や保護者、教員に理工系の魅力を伝える活動を推進している。これに基づき、女子中高生の理工系分野への進学を促進するための取組みが拡充されている。また、第5次男女共同参画基本計画は、女子中高生や保護者、教員の科学技術系進路への興味・関心を全国的に向上させることを基本方針としている。
女子中高生の理系進路選択支援プログラムは、これらの方針を踏まえ、女子中高生の理工系分野に対する興味や関心を高め、理系進路への志を支援する取組みを行う。1件あたりの支援額は、年間上限600万円で、支援期間は最大3年間となっている。
2025年度の公募は、2025年1月15日から2月20日の期間に行われ、31件の応募があった。外部有識者で構成される委員会による審査を経て、室蘭工業大学、群馬工業高等専門学校、お茶の水女子大学、広島大学の4機関が採択された。これにより、2025年度の実施機関は11拠点となる。
室蘭工業大学は「北海道のものづくり地域から楽しく広げる理工系選択」をテーマに、ロボットサッカーコンテストやサイエンススクールの実施などを通じて、女子中高生に理工系選択の魅力を伝える企画を展開する。
群馬工業高等専門学校は「G-STEM~ぐんま女子中高生理系進路選択への追い風プロジェクト~」を実施。STEM教育のノウハウを生かし、体験型企画や企業見学会を通じて、女子中高生の理系進路選択を後押しする。
お茶の水女子大学は「理工系フロントランナー育成加速イニシアティブ」を掲げ、理工系女性シーズの発掘や、理工系進学へのモチベーションを育成する取組みを行う。
広島大学は「理系を目指す女子と次世代ファシリテータ育成のための広島大学フェニックスものづくりプログラム」を通じて、女子中高生に理系分野の楽しさを伝え、理系教科の教員を志す女子学生の育成を目指す。
プログラムの詳細、各採択機関の企画概要などは、JSTのWebサイトで公開している。