兵庫教育大学教材文化資料館は2025年8月31日まで、「おかえり!長岡先生―『考えあう授業』をもう一度」展を開催している。子供たちが主体となって展開する「考えあう授業」の手法について、実際の子供の作文や授業の記録など貴重な資料をもとに紹介する。
長岡文雄先生は、1943年から約30年間、現・奈良女子大学附属小学校の教員として、子供の興味や価値観に基づく授業づくりを実践し、初等社会科教育に大きな影響を与えた人物。子供ひとりひとりの興味関心や価値観を授業に反映させるため、子供たちに毎日日記を書かせていた。兵庫教育大学附属図書館内の教材文化資料館展示室で行われている今回の展示では、実際の子供の日記を通じて、長岡先生がどのように子供たちの考えを読み解いたのかがうかがえる。
また、1946年に奈良の町で行われた地下鉄工事をテーマにした授業を例に、子供たちが主体となって展開する「考えあう授業」の一端を知ることができる。特に、工事と町の変化を分析しながら書いた「つながりの配線図」からは、子供たちが生き生きと授業に取り組んだようすがうかがえる。
さらに、長岡先生は「T君」の小学校1年生から6年生までの6年間の記録をとり続け、その子やその友人、取り巻く環境も含めて研究を行った。子供の日記やイラストをそのまま書き写した記録から、長岡先生の研究姿勢が伝わる。
書道教育にも力を注いだ長岡先生の作品も一部展示されており、普段は見ることのできない兵庫教育大学附属小学校所蔵の教育目標も公開されている。力強い筆致から、長岡先生の教育にかけた思いを感じ取ることができる。
観覧料は無料。展示資料は約50点におよび、平日は午前8時30分から午後10時まで、土日祝日は午前10時から午後5時まで開館している。開館日時は附属図書館に準じる。
◆展覧会「おかえり!長岡先生―『考えあう授業』をもう一度」
会期:2025年4月1日(火)~8月31日(日)
時間:平日8:30~22:00、土日祝10:00~17:00
※開館日時は附属図書館に準じる
会場:兵庫教育大学附属図書館内 教材文化資料館展示室
観覧料:無料