大日本印刷(DNP)は、レノボ・ジャパンと協業し、2024年度から文部科学省が推進するGIGAスクール構想第二期に対応した情報端末の予備機を保管・運用管理する体制を構築した。レノボ・ジャパンの「Lenovo GIGA School Edition」の「予備機運用サービス」において、全国の小中学校に配布される予備機の保管・運用管理を2025年4月1日に開始する。日本郵便、佐川急便とも連携し、GIGAスクール端末の故障時に予備機を迅速に提供できるようにする。これにより、教育現場の負担を軽減し、児童・生徒の学習機会の損失を防ぎ、ICTを利活用した継続的な学びを支える。
GIGAスクール構想は、2019年度に文部科学省が始めたもので、全国の小中学校の児童・生徒に1人1台の端末を提供し、高速ネットワーク環境を整備することを目的としている。しかし、端末の故障が想定以上に発生し、代替用の予備機の予算がなかったため、教育現場ではICTを活用した学びが中断することもあった。この課題を解決するため、同省は第二期において、第一期で導入した端末の更新と予備機の整備を進めており、全児童・生徒数の15%以内に向けた予備機が補助対象となっている。
予備機を効率的に利活用するには、保管場所の確保や端末の適切な管理、定期的な充電等の品質維持が必要となるが、大規模自治体等ではこうした対応が難しいという課題があった。予備機を適正に管理しないとバッテリーが劣化し、使いたい時に使えない場合が想定されるため、レノボ・ジャパンは予備機の無償保管サービスを開始し、BPO(Business Process Outsourcing)分野で豊富な実績を有するDNPが同サービスに協力することとなった。また、全国の自治体の要望に対応するため、日本郵便、佐川急便とも連携し、予備機を専用倉庫で保管・運用管理する体制を実現し、教員の業務負担軽減と持続可能な学びを支援する。
予備機運用サービスの特長として、迅速な予備機の提供があげられる。全国の自治体の要望に応じて予備機を預かり、GIGAスクール端末の故障時に予備機を迅速に供給できる体制を構築した。予備機を安全に保管・運用管理することで、長期保管による品質劣化等を防ぎ、教育現場での運用負担の軽減につなげていく。具体的には、自治体の資産である小中学校向けGIGAスクール端末の予備機を保管・運用管理し、予備機のキッティング(すぐ使える状態への整備)、バッテリー劣化防止のための定期的な充電、予備機発送の受付と、全国の自治体および小中学校への配送、故障機の預かり、保存・管理を行う。
DNPは、災害等への対応力向上も含めたBCP(事業継続計画)に基づく分散配置や、全国エリアをカバーできる機動力と規模の観点から、国内有数の物流事業者である日本郵便・佐川急便とともに運用体制を確立した。DNPが事務局として全体運営を統括し、予備機を全国の自治体や小中学校へ迅速に提供できるインフラを構築した。
今後、DNPはこの取組みの拡大に努め、GIGAスクール構想に基づく端末の持続的な利活用を支援し、全国の児童・生徒のICTを活用した質の高い学びに貢献していく。