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教職員の質向上へ、文科省が方策を諮問

 文部科学省は2024年12月25日、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について、中央教育審議会に諮問した。これは、学校教育が直面する課題に対応し、教育の質を向上させるための重要なステップである。

教育行政 文部科学省
令和の日本型学校教育を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について
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 文部科学省は2024年12月25日、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について、中央教育審議会に諮問した。これは、学校教育が直面する課題に対応し、教育の質を向上させるための重要なステップである。

 学校教育は、我が国や地域社会の発展を支える重要な基盤である。近年、先端技術の高度化や社会構造の変化、子供たちの多様化など、学校が直面する課題は多岐にわたる。2021年1月の中央教育審議会答申では、2020年代を通じて実現を目指す「令和の日本型学校教育」の姿として、「すべての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現」が示された。この実現に向けて、教師および教職員集団の在り方が重要視されている。

 2022年12月の中央教育審議会答申では、教師に求められる資質能力の再整理が行われ、「新たな教師の学びの姿」の実現、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成が示された。これに基づき、特定分野に強みを持つ教師の養成や教員採用選考試験の早期化・複線化が進められている。

 2024年8月の中央教育審議会答申では、学校における働き方改革の加速化、指導・運営体制の充実、教師の処遇改善が一体的に推進される方策が示された。これにより、教師の「働きやすさ」と「働きがい」の両立を目指した環境整備が求められている。

 我が国の教員養成は、幅広い視野と高度な専門的知識を持つ多様な人材を教育界に求めることを目的としている。教職課程を設置し、教員養成を行う「開放制の教員養成」の原則が採られている。これにより、教員組織を多様化し、活性化することが期待されている。

 少子化による生産年齢人口の減少やAI技術の発達が進む中、教師による対面指導や子供同士の学び合い、地域社会での体験活動を通じた教育の重要性が高まっている。教師には、子供たちの主体的な学びを支援する役割が求められており、質の高い人材の育成・確保が必要である。

 今回の諮問では、教職課程の在り方や教師の採用・研修の在り方についても検討が求められている。社会の変化や学習環境の進化に対応するため、教職課程の学修内容や方法の見直しが必要とされている。また、教員養成系大学と教育委員会の連携を深め、地域に求められる教師人材の確保につなげる取組みも重要だという。さらに、多様な専門性や背景を有する社会人等が教職へ参入しやすくなるような制度の在り方について、大学等で教職課程を取らなかった者にも教職への道を開くことを求めている。

 教師の質を維持・向上させるためには、教員養成段階だけでなく、採用や入職後の研修を含めた教職生涯全体を通じた取組みが必要となる。教員採用選考の早期化や特別選考など、多様な選考方法の工夫が進められている。さらに、現職教師の学び直しを推進し、自己の資質能力を高める環境整備が求められている。

 今回の諮問を通じて、質の高い教職員集団の形成が加速され、教育の質が向上することが期待される。教師の役割がますます重要になる中で、教育界全体の改革が進むことが求められている。

《佐藤愛》

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