文部科学省は2024年7月11日、「学校教育法施行規則」などの改定案を公開した。不登校児童生徒の適切な評価の促進などが追加されており、8月15日まで意見公募(パブリックコメント)を実施する。
不登校児童生徒に対し、学校外や自宅で学習を続けている努力を評価し、社会的自立を後押しすることは重要だと認識されている。これまでも「不登校児童生徒への支援の在り方について」(2019年)などにおいて、義務教育を前提としつつ、一定の要件を満たす場合に、不登校児童生徒が学校外の機関や自宅などで行う学習の成果を成績に反映できることとしてきた。2023年の「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」などでも、教育支援センターや自宅などでの学習が成績に反映されるようにすることが明記されている。
そこで今回、不登校児童生徒の適切な評価を促進し、誰1人取り残されない学びを一層推進するため「学校教育法施行規則」などの改正を予定。「学校教育法施行規則の一部を改正する省令(案)」では、学校教育法施行規則第57条第2項に「学校生活への適応が困難であるため相当の期間小学校を欠席した児童について前項の成績評価を行うにあたっては、文部科学大臣が定めるところにより、当該児童が欠席中に行った学習の成果を考慮することができる」の項目を追加するなどとしている。
また、「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果を成績に反映する場合を定める告示(案)」で、欠席中に行った学習の成果を考慮して評価できるのは、「学習の計画および内容が、不登校児童生徒の在学する小学校などの教育課程に照らし適切と認められること」「在学小学校などと不登校児童生徒の保護者、義務教育段階における教育の機会均等に関する法律との間に連携協力関係が保たれるとともに、在学小学校などにおいて学習活動の状況などを定期的・継続的に把握していること」「訪問による対面指導、そのほかの方法により、在学小学校などと不登校児童生徒の適切な関わりを維持するよう留意していること」のすべてに該当する場合としている。
改訂に向け、文部科学省は「学校教育法施行規則」の改正案に関するパブリックコメント(意見公募手続)を実施。意見は理由を明記し、「電子政府の総合窓口(e-Gov)の意見提出フォーム」または「文部科学省の意見提出フォーム」から提出する。提出期限は8月15日午後2時。詳細は文部科学省のWebサイトで確認できる。