文部科学省は2024年6月20日、2025年度（令和7年度）開設予定の大学の学部などの設置届出について公表した。私立大学21校が学部の設置を届け出たほか、学科設置や大学院の研究科設置など、計51校が2024年4月の設置を届け出ている。
公私立の大学の学部・学科の設置、大学院の研究科・専攻の設置および課程の変更にあたっては、学位の種類や分野を変更しないなど一定の要件に該当すれば、あらかじめ文部科学大臣に届け出ることで、認可を要せずに設置できる。
2025年度開設予定の届出は、学部設置が私立大学21校、学科設置が私立短期大学2校と私立大学の学部14校、研究科設置が公立大学大学院1校と私立大学大学院2校。このほか、公私立大学大学院の研究科の専攻の設置または課程の変更9校、私立大学の学部等連係課程実施基本組織等の設置2校、計51校。
このうち、金沢工業大学は3つの学部を新設。「情報理工学部」に情報工学科・知能情報システム学科・ロボティクス学科の3学科、「メディア情報学部」にメディア情報学科・心理情報デザイン学科の2学科、「情報デザイン学部」に経営情報学科・環境デザイン創成学科の2学科を開設する。入学定員は3学部で計620人。学部新設にともない、工学部の6学科中4学科や情報フロンティア学部を廃止し、2025年4月より学生募集を停止。残る学部・学科でも名称変更や定員減とし、学部学科全体の改組を行う。
日本女子大学は「食科学部」に食科学科・栄養学科を開設。入学定員は88人。これにともない、家政学部の食物学科と通信教育課程の食物学科を廃止。通信制の児童学科も定員を960人減とする。
大学の学科設置では、北里大学が獣医学部の生物環境科学科を廃止、動物資源科学科の定員を減らし、新たに「グリーン環境創成科学科」を設置（入学定員100人）。設置にあたっては、健康科学部看護学科、医療検査学科の収容定員未充足の是正に努めることが附帯事項として明記されている。
公立大学大学院の研究科設置では、名古屋市立大学大学院がデータサイエンス研究科・データサイエンス専攻（M：入学定員15人）を設置。附帯事項として、退職年齢を超える専任教員数の割合が高いことから、適切な運用に努めるとともに、教員編制の将来構想を策定し着実に実行することを求めている。
2025年度開設予定の大学の学部などの設置届出一覧（令和6年4月分）は、文部科学省のWebサイトで閲覧できる。
