千葉県と千葉県教育委員会は2024年3月29日、不登校児童生徒の教育機会の確保に関する施策を総合的に推進するための基本方針を策定し公表した。不登校児童らが個性を尊重され、自分にあった学びを継続できるよう、具体的な取組みの方針を示している。
基本方針は、不登校児童生徒の教育機会の確保に関する施策を総合的に推進するために、「千葉県不登校児童生徒の教育機会の確保を支援する条例(2023年4月施行)」に基づき策定されたもの。
具体的な取組みとしては、学校内外の教育支援センターやフリースクール、学びの多様化学校のほか、既存の学校自体も必要な改善を加えるなどし、これらを有機的に結び付け、子供の個性を尊重し、学びを継続できるように配慮する。
いじめ、暴力行為、体罰などは根絶し、安心・安全で魅力ある学校づくりを目指すとともに、個々の子供にあった多様な学び方を用意し、子供がいやすい空間を作ることに重点を置く。
保護者には、抱える不安や困難に寄り添った支援をし、支援の情報を確実に伝える。
また、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの資質の向上と配置の充実にも努め、不登校の状態の子供の心理や、特別な配慮が必要な児童生徒に対する理解を促す研修を実施。義務教育修了後も安心して学びを継続できるよう、教育と福祉を融合し新たな高等学校のあり方を検討するとしている。
基本方針では「不登校児童生徒の教育機会の確保に関する基本的事項」「不登校児童生徒に対する教育機会の確保に関する事項」「その他不登校児童生徒の教育機会の確保に関する施策を総合的に推進するために必要な事項」の3つに分類し、それぞれ基本理念や現状・課題などとともに、具体的な取組み方針が示されている。