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【高校受験2026】山形県公立、全校・学科で受験機会2回へ

 山形県公立高校入試のあり方について検討を行っていた改善検討委員会は2023年12月15日、県教育委員会に対し改善案をまとめた報告書を提出した。2026年度入試からすべての公立高校・学科で2回の受験機会を設けるほか、定員充足の向上に向け、県外生徒の受入れ緩和などを提…

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山形県公立高等学校入学者選抜 改善案(一部)
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  • 山形県公立高等学校入学者選抜方法改善検討委員会

 山形県公立高校入試のあり方について検討を行っていた改善検討委員会は2023年12月15日、県教育委員会に対し改善案をまとめた報告書を提出した。2026年度(令和8年度)入試からすべての公立高校・学科で2回の受験機会を設けるほか、定員充足の向上に向け、県外生徒の受入れ緩和などを提案。県は提案に沿った改善を進めていく方針。

 山形県では、2022年度(令和4年度)に公立高校の入学者選抜のあり方について検討する改善検討委員会を設置。これまで4回にわたり有識者や保護者などから意見を聞き、改善に反映させるための委員会を開催してきた。検討課題として、「1.各高等学校のアドミッション・ポリシーに沿った入学者の受入れ」「2.受検機会の改善」「3.入学定員の充足率向上」をあげ、1と2については1つの項目として協議。今回、委員会の意見を取りまとめた報告書を県教育委員会に提出した。

 報告書では、これまで専門学科と総合学科は2回(推薦入試と一般入試)、普通科では1回(一般入試のみ)と受験機会に差があった点を改善する必要があるとして、すべての公立高校・学科で2回の受験機会を設けることを要望。推薦入試という名称も廃止し、新たに「前期(特色)選抜」「後期(一般)選抜」とする案を提示した。

 前期(特色)選抜は、面接(個人・集団)、作文、発表、そのほか小論文や口頭試問、学校独自の学力検査などの受験科目から各校が選択して決定。募集定員は音楽科60%程度、体育科80%程度、そのほかの学科では5%から50%以内とし、実施時期は、大学入学共通テスト実施日以降(1月中旬ごろ)の「A日程」もしくは2月初めの「B日程」のいずれかを学校ごとに選択して実施する。後期(一般)選抜は、現行の一般選抜と同様に学力検査として3月7日に実施。新たな入試制度は、2026年度(令和8年度)入学者選抜からの実施が望ましいとしている。

 また、入学定員の充足率向上に向けては、「県外からの志願者受入れの拡大」の条件をさらに緩和することを提案。県外志願者の受入れができる要件を、2025年度(令和7年度)より「直近2年における入学定員に対する合格者数の割合が連続して9割に満たない学科」に緩和するとともに、入学者が定員に満たない普通科においては、受検生への影響などを考慮しつつ、2025年度入試から前期(特色)選抜を実施できることとする案をまとめた。

 山形県教育委員会では、第7次山形県教育振興計画の策定を進めており、今回の報告書を踏まえ、2024年2月上旬に県立高校入試の改善方針を決定、実施に向けて取り組んでいく予定だという。

《畑山望》

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