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東京大、研究評価「DORA」に署名…国内の大学初

 東京大学は2023年12月8日、研究評価に関するサンフランシスコ宣言(San Francisco Declaration on Research Assessment、DORA)に12月1日付で署名したことを発表した。日本の大学としてDORAに署名するのは、東京大学が初めてとなる。

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研究評価に関するサンフランシスコ宣言(DORA)への署名について
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  • 研究評価に関するサンフランシスコ宣言(日本語)

 東京大学は2023年12月8日、研究評価に関するサンフランシスコ宣言(San Francisco Declaration on Research Assessment、DORA)に12月1日付で署名したことを発表した。日本の大学としてDORAに署名するのは、東京大学が初めてとなる。

 DORAは、2012年の米国細胞生物学会年次会議で採択された研究評価のあり方に関する提言。すべての学術分野における資金提供者、出版社、学会、機関、研究者などにおいて、世界的なイニシアチブとなっている。

 日本からは現在、科学技術振興機構、理化学研究所など、17の組織がDORAに署名している。日本の大学では、東京大学が初めて。

 東京大学では、学内でDORAへの署名に関する検討を重ね、その理念に賛同することを決めた。「東京大学憲章」に研究の多様性を掲げる大学として、今回の署名を通じて、これからも分野の特性などに応じた多様な観点で研究内容の評価を行うことを表明することにしたという。

 DORAでは、研究評価について、出版物の数量的指標やその論文が発表された雑誌がどのようなものであるかということよりも、その論文の科学的内容のほうがはるかに重要だとしている。研究者の雇用、任期、昇進、研究費の助成決定の際には、研究論文の質をはかる代替方法として、インパクトファクターのような雑誌ベースの数量的指標を用いないよう勧告。研究評価を行ううえでは、出版物に加えて研究のすべての成果の価値とインパクトを検討し、質的指標を含む幅広いインパクトの評価基準を考慮すべきとしている。

 東京大学では、「研究成果を正しく評価し多様な学術を振興することは、1つの大学だけでなく、国内外の学術コミュニティ、そして社会全体で共有すべき価値観」と説明。DORAへの署名を契機に学術的内容から研究を評価することの議論がより一層進むことを期待すると同時に、学術の健全で多様な発展を目指すグローバルな議論に積極的に貢献していくとしている。

《奥山直美》

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