文部科学省は2023年7月19日、報告書「『令和の日本型学校教育』を推進する地方教育行政の充実に向けて」を公表した。教育委員会の機能強化や、教育長と首長との効果的な連携、小規模自治体への対応などの方策について提言している。
「令和の日本型学校教育」を推進する地方教育行政の充実に向けた調査研究協力者会議は、2022年1月31日~2023年7月18日の期間15回にわたり開催。学校運営に係る地方教育行政のあり方や、地方教育行政の充実改善に向けた検討を行ってきた。
具体的な方策は、「教育委員会の機能強化・活性化」「教育長と首長との効果的な連携」「学校運営の支援のために教育委員会が果たすべき役割」「小規模自治体への対応、広域行政の推進」の4項目に取りまとめている。
「教育委員会の機能強化・活性化」では、教育委員会会議での議論を活性化し、地域に開かれた会議運営を行うこと。また教育の状況や候補者の資質・能力、特性を踏まえた教育長の選任や、将来の教育長人材への中長期的な育成を実施することなど。
「教育長と首長との効果的な連携」では、危機管理、総合的な施策の大綱の策定、総合教育会議のあり方、総合教育会議の関係部局などとの連携の促進など。「学校運営の支援のために教育委員会が果たすべき役割」では、学校の自主性・自律性を促す取組みの実施、指導主事に係る体制整備の支援、教師が教育活動に専念できる環境整備をあげている。
「小規模自治体への対応、広域行政の推進」のための方策としては、市町村教委が抱える課題の解決や教育のさらなる充実に向けて都道府県が広域自治体として適切な支援を行うことや、教育事務所の体制について、小規模市町村への最適な支援を行う観点から、適時適切に見直しを行っていくことなどを明記。そのほか、広域連携の促進や地方教育行政を担う人材の確保など。
政府においては、総合教育会議の活性化や自治体間連携の促進に向けた支援のほか、手引きの作成・公表による取組事例や留意事項の周知、特に小規模自治体の指導主事に係るオンラインの情報共有やネットワークづくりの場の提供などを行うとしている。
報告書は文部科学省のWebサイトで全文(全62ページ)が閲覧できる。