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学部再編を支援、大学・高専の機能強化へ公募開始…文科省

 文部科学省は2023年4月18日、成長分野をけん引する大学・高等専門学校(高専)の機能強化を図るため、国公私立の大学(大学院を含む)と高専を対象に公募を開始した。デジタル等の特定成長分野への学部再編、高度情報専門人材の育成等を支援する。

教育行政 文部科学省
成長分野をけん引する大学・高専の機能強化に向けた基金による継続的支援
  • 成長分野をけん引する大学・高専の機能強化に向けた基金による継続的支援
  • 助成業務の実施スキーム

 文部科学省は2023年4月18日、成長分野をけん引する大学・高等専門学校(高専)の機能強化を図るため、国公私立の大学(大学院を含む)と高専を対象に公募を開始した。デジタル等の特定成長分野への学部再編、高度情報専門人材の育成等を支援する。

 日本の大学では、理工系を専攻する学生がOECD平均より低い状況にある。OECD諸国の多くが理工系学部の学生数を増やす中、日本はほとんど変わっていないとも指摘されている。

 そこで、文部科学省は2022年度第2次補正予算において、3,002億円の「成長分野をけん引する大学・高専の機能強化に向けた基金」を措置。実施主体である大学改革支援・学位授与機構が4月18日、2023年度大学・高専機能強化支援事業の公募を開始した。

 大学・高専機能強化支援事業は、デジタルやグリーン等の成長分野をけん引する高度専門人材の育成に向けて、意欲ある大学・高専が学部展開等の改革に予見可能性をもって踏み切れるよう、新たに基金を創設し、機動的かつ継続的な支援を行う助成事業。支援1「学部再編等による特定成長分野への転換等支援」、支援2「高度情報専門人材の確保に向けた機能強化支援」の2種類ある。

 支援1は、私立・公立の大学が対象で、助成期間は原則8年以内。選定件数は250件程度(2032年度まで)。学部再編等に必要な経費について、検討・準備段階から完成年度まで支援する。期間内の助成金額の上限は、事業計画の選定から設置認可申請または届出受理まで(3年以内)3,000万円、設置認可申請または届出受理から学部等の開設まで(1年程度)20億円程度、学部等の開設後から完成年度が終わるまで(4年)4,000万円。

 支援2は、国公私立の大学、高専が対象。助成期間は最長10年間。選定件数は60件程度。情報科学系学部・研究科を有する大学の体制強化に必要な経費や、高専における情報系学科・コースの新設・拡充に必要な経費を支援する。大学は、取組みの内容に応じて一般枠、ハイレベル枠、特例枠がある。助成金の上限額は10億円(助成期間における総額)。ただし、特例枠の上限額は4億円。ハイレベル枠は、一般枠の助成金額に加算して交付される。

 公募期間は、4月18日から5月24日午後5時まで。4月下旬ごろには、Webサイトに公募説明動画を公開予定。審査等は、5月下旬ごろから7月ごろ。選定結果は7月中に通知される。

 文部科学省の永岡桂子大臣は、4月18日の会見で「大学・高専には積極的、意欲的にご検討いただき、基金を活用して機能の強化を図っていただきたい」と語った。

◆大学・高専機能強化支援事業
公募期間:2023年4月18日(火)~5月24日(水)17:00
【支援1】学部再編等による特定成長分野への転換等支援
公募対象:私立・公立の大学
助成期間:原則8年以内
選定件数:250件程度(2032年度まで)
【支援2】高度情報専門人材の確保に向けた機能強化支援
公募対象:国立・公立・私立の大学、高専
助成期間:最長10年間
選定件数:60件程度

《奥山直美》

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