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国立大学の国際化、留学生受入は過去最多

 2020年までの教育国際化の達成目標を掲げた「国立大学における教育の国際化のさらなる推進について」の第10回フォローアップ調査結果が2023年2月28日に公表された。受入留学生は過去10年で最多の8.0%となったが、派遣留学者比率はわずか0.4%にとどまった。

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外国人留学生数・比率
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 2020年までの教育国際化の達成目標を掲げた「国立大学における教育の国際化のさらなる推進について」の第10回フォローアップ調査結果が2023年2月28日に公表された。受入留学生は過去10年で最多の8.0%となったが、派遣留学者比率はわずか0.4%にとどまった。

 国立大学協会は2013年より、2020年までの教育国際化の目標数値を掲げ達成度を示している。第10回となるフォローアップ調査では、2022年11月21日~12月21日の期間に国立86大学へのアンケート調査を実施した。

 受入留学生数(外国人留学生)は「学部・大学院あわせて10%」の目標に対し、2022年11月時点で学部が1万1,507人(2.6%)、大学院が3万5,923人(22.4%)で、合計4万7,430人(8.0%)。目標値には及ばなかったものの、過去10年を遡ると2019年と同率で最多となった。

 2021年度の短期教育プログラム(学位取得を目的としないもの)による外国人学生受入れは「3か月以上6か月未満」77人、「1か月以上3か月未満」3人の計80人だった。

 一方、派遣留学生(日本人学生の海外留学)数は「学部・大学院あわせて5%」の目標に対し、2021年度実績で、学部1,567人(0.4%)、大学院785人(0.6%)の合計2,352人(0.4%)。2020年度の0%と比較するとやや増加がみられたものの、目標を達成していた2017~2019年度には程遠い状況であった。

 外国人教員数は「2012年の3.2%を6.4%に倍増」する目標に対し、2022年5月1日時点で3,541人で、教員6万3,292人に対する比率は5.6%だった。英語での授業は「授業科目数を学部7,542科目、大学院1万6,136科目」とする目標に対し、2022年度は学部が1万1,058科目、大学院が3万755科目と目標を達成した。

 その他2021年度は、英語による授業のみで学位が取得できる「留学生のみ限定コース等」の設置は、学部6大学(設置割合7.3%)、大学院38大学(設置割合44.2%)、「留学生に限定されないコース等」の設置は、学部12大学(設置割合14.6%)、大学院57大学(設置割合66.3%)。国際バカロレア入試は全86大学中で、「導入済」が15大学(17.4%)、「導入予定」が4大学(4.7%)、8割近くの67大学が「未導入」であった。

 第10回目のフォローアップ調査の詳細は、国立大学協会のWebサイトで閲覧できる。

《川端珠紀》

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