保育士のキャリアについて、約半数が転職や他職種でキャリアアップをしたいと考えていることが、ネクストビートが運営する保育業界に特化した調査・研究を行う機関「保育士バンク!総研」が実施した調査結果から明らかになった。
保育士バンク!総研は、保育士バンク!の登録者およびSNS閲覧者である保育士を対象に、「就職・転職・キャリア」に関するアンケート調査をインターネットにて実施。調査期間は2022年9月5日~10月10日。回答数は201名。
保育士の現在の就職・転職市場の動向については、49.3%が「就職・転職難とは思わない」、約40%が「難しくなっている」「難しい」と回答。今後のキャリアについては、「1つの園で経験を積んでいきたい」との回答がもっとも多く43.8%だったのに対して、「転職してさまざまな園で経験を積み、キャリアアップしたい」28.4%、「他事業や他職種でのキャリア形成を考えたい」19.4%と、転職や他職種でのキャリアアップを検討する声が計47.8%と、約半数近くにのぼった。
今後、保育士としてより求められることは何かとの問いには、「保育者としての姿勢(子供との接し方・信頼関係)を理解・実践している」76.1%がもっとも多く、ついで「保護者との適切なコミュニケーションができる」50.7%、「職責への自覚がある」32.8%、「保育の専門分野の知識がある」32.3%と続いた。
就職先を決めるうえで重視する点としては、「給与・賞与」と給与条件を重視する意見が最多で65.7%となった。ついで「勤務日数、勤務時間、休暇」51.7%、「勤務場所(立地)、通勤時間」50.2%、「職場の雰囲気」45.3%。就職先として希望する施設形態としては「中小規模の認可保育園」が計52.2%で半数以上となった。
今後、保育園が供給過多になっていく中でどう変わっていくべきか、との質問には、89.6%の保育士が「働きやすい環境整備」と回答。「保育士の質向上のための取組み」51.7%、「保育カリキュラムの質向上の取組み」42.3%を求める声も多く、保育士の労働環境改善が叫ばれる中、現場レベルでも働きやすい労働環境整備が喫緊の課題となっていることが顕著にみられた。