教育業界ニュース

地域協働の高校教育改革推進、プロフェッショナル型15校の成果公表

 文部科学省は2022年11月16日、2021年度(令和3年度)「地域との協働による高等学校教育改革推進事業(プロフェッショナル型)」の成果物をWebサイトに公表した。研究実施報告書や発表資料等、指定15校が取り組んだ研究開発の成果をみることができる。

教育行政 文部科学省
地域との協働による高等学校教育改革推進事業
  • 地域との協働による高等学校教育改革推進事業
  • 地域との協働による高等学校教育改革推進事業 指定校一覧(令和3年度)
  • 栃木県立宇都宮工業高等学校の成果物(一部)

 文部科学省は2022年11月16日、2021年度(令和3年度)「地域との協働による高等学校教育改革推進事業(プロフェッショナル型)」の成果物をWebサイトに公表した。研究実施報告書や発表資料等、指定15校が取り組んだ研究開発の成果をみることができる。

 地域との協働による高等学校教育改革推進事業は、地域人材の育成に向けて、高等学校が自治体・高等教育機関・産業界等との協働によりコンソーシアムを構築し、地域課題の解決等の探究的な学びを実現する取組みを推進する事業。地域振興の核となる高等学校の機能強化を図ることをねらいとし、「プロフェッショナル型」「地域魅力化型」「グローカル型」の3つでそれぞれ指定校を選定している。

 プロフェッショナル型は、地域の産業界等との連携・協働による実践的な職業教育を推進することを目的としたもので、専門学科を中心に実施。継続指定校を含め、2021年度は15校が指定を受けている。

 文部科学省Webサイトでは、プロフェッショナル型指定校全校の研究成果を掲載。たとえば、栃木県宇都宮工業高校(工業)が取り組んだのは「『とちぎの共創型実践技術者』育成プログラムの開発」。将来にわたり栃木県の工業を支えていく地域人材育成に向け、専門分野ごとの工業教育の知識・技能だけでなく、新しい価値を生み出せる思考プロセスを備えた「とちぎの共創型実践技術者」育成のための取組みを実施し、その効果を検証した。

 研究では、「システム思考・デザイン思考能力の向上」や「技術経営(MOT)に関する知識の向上」「知的財産に関する知識の向上」等、Society5.0時代の地域産業を支える技術者に必要な6つの「知識」や「能力」を講義や実習から育成。特に、課題解決のアイデアを生み出す思考法の活用やPBL型学習により、未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」が深まり、豊かな人間性に結びついたという。

 その他、長野県飯田OIDE長姫高校(工業・商業)による「未来価値を創る玉手箱『地域協創型スペシャリスト』育成プログラム」、三重県四日市工業高校(工業)による「スマートシティ四日市の実現に向けた『MIEものづくりSpirit』育成プログラム」、福岡県香椎高校(家庭)による「ファッション都市福岡『ファイナルディスティネーションプラン2030』」、秋田県金足農業高校(農業)による「縮減社会を生き抜き、あきたの未来を創造する新たな農業高校成長モデルの研究開発~地域定住人材の育成を目指したKANANOスタイル農業高校改革プロジェクト~」等、全指定校の研究成果が掲載されている。


月刊高校教育 2022年 12月号 [雑誌]
¥1,045
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
いい教師の条件 (SB新書)
¥990
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《畑山望》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top