文部科学省は2022年10月3日、教員採用選考試験の早期化や複数回実施に向けて検討するための協議会を10月中に立ち上げることを明らかにした。早ければ2024年度に実施する試験から導入する見通し。
文部科学省の永岡桂子大臣は、9月29日に開かれた文部科学省と都道府県・政令市教育長とのオンライン会議において、教員採用選考試験の早期化や複数回実施、通年採用等に向けて具体的に検討するための協議会を立ち上げたいと表明。10月3日の会見で、あらためて目的や見通し等を説明した。
現在の教員採用選考試験は、7月に筆記試験、8月に面接、9~10月に合格発表・採用内定というスケジュールが一般的。民間企業や地方公務員の採用試験のほうが早く行われることから、教員志願者の一部は民間企業や他の公務員に流れているとの指摘もある。
近年、公立学校の教員採用選考試験の採用倍率は低下傾向にある。文部科学省の調査によると、2021年度実施された2022年度公立学校教員採用選考試験の採用倍率は、全体で3.7倍、小学校2.5倍と過去最低を更新。9月9日に開催された中央教育審議会「『令和の日本型学校教育』を担う教師の在り方特別部会」では、中間まとめ案の中で、早期化・複線化を含め、優れた人材を確保できる教員採用等のあり方の検討を盛り込んでいる。
新たに立ち上げる協議会は、文部科学省と教育委員会等の関係団体で構成。10月中に発足し、教育委員会や大学と連携協力しながら、教員採用試験の早期化等について具体的に検討していく。10月3日の会見で永岡大臣は「大事なのは、やはり日本全体で教師を目指してもらう方々の数を増やし、そして質を高めていくということ」と語った。