保育園のICT導入率が92.6％、ICTデータを運営改善や保育の質向上に活用する保育園は73.6％であることが、保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」を運営する明日香が2022年1月28日に発表した「保育園におけるICT活用」の調査結果より明らかとなった。 この調査は、1月19日～1月21日の3日間、保育園の理事長・園長、ICT関連に関わる者94名を対象にインターネットで調査を実施。 どのようなICTを導入しているかについて聞いたところ、「登降園管理」が58.5％がもっとも多く、ついで「職員のシフト作成機能」が55.3％、「園児台帳の作成・管理」が52.1％。「導入していない」はわずか7.4％。92.6％でICT導入が行われていることがわかった。さらに、導入していると回答した保育園を対象に、収集しているデータの種類を聞いたところ、「子供の健康状態（66.7％）」がもっとも多く、ついで「子供の食物アレルギー」63.2％、「子供の興味・関心」が54.0％と続いた。その他には、「送迎バスの利用の有無」「検温記録表、行動記録表」等もICTで管理しているという回答もあった。 続いて、収集したデータの分析や振り返りについて、「非常にできている（18.5％）」、「ややできている（54.0％）」を合計すると72.5％の保育園で、収集したデータの分析や振り返りを実施していることがわかった。具体的には、収集したデータで「情報に基づくミーティング」や「面接や職員との面談で検証」等を実施していると回答を得た。 さらに、収集したデータを保育園の運営改善や保育の質向上に十分に活用できているかを聞いたところ、「非常にそう思う（19.5％）」、「ややそう思う（54.1％）」を合わせ、73.6％の保育園が、ICTデータを「運営改善や保育の質向上」に活用していることがわかった。収集したデータの活用方法は、「保育士の職場環境の改善」が65.6％ともっとも多く、ついで「子供ひとりひとりに合った保育環境作り」が57.8％、「保育士の人材不足対応」が50.0％と続いた。また、園児と保育士のコミュニケーションや子供の健康把握等にも活用したいとする意見もあった。 今後も収集したいデータは、「子供の健康状態（体温や呼吸、心拍数等）」が57.4％でもっとも多く、「子供の食物アレルギー」が51.1％が続いた。さらに、「保育に関するデータ活用を導入するべき」と回答した保育園は、「絶対に導入するべき（30.9％）」、「導入するべき（61.7％）」を合わせ、92.6％がICT導入するべきと考えていることがわかった。 この調査により、ほとんどの園でICT活用に前向きな回答が得られ、保育従事者のICTに対する意識の高さがうかがえる結果となった。調査をした明日香は、今後もますます保育業界のICT化が加速する中、数年後の保育利用者数ピーク前に、「選ばれる園」として差別化するために、自園の保育を見える化し、園の特徴を作り、アピールに繋げていけるかが、今後の大きなテーマとなるとしている。
