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【クレーム対応Q&A】通知表が間違っているのではないか

 学期末の時期です。多くの学校で通知表が配られます。多くの子供や親にとって関心のあるものです。今回のテーマは「通知表が間違っているのではないか」。

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 学校に寄せられるさまざまなクレーム。保護者や地域からのクレームに先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまなクレームに対応する際のポイントを聞いた。第65回のテーマは「通知表が間違っているのではないか」。

 学期末の時期です。多くの学校で通知表が配られます。多くの子供や親にとって関心のあるものです。現在の通知表はパソコンで作成し、プリントする場合が多いです。表計算ソフト等でずれが生じてしまうこと等もあり得ます。

子供も親も通知表の記載内容に敏感


 「通知表」は、学校での成績や生活のようす等が記載されたものです。学校によって「通信簿」「通知票」「あゆみ」「かがやき」等、さまざまな呼び方がされています。指導要録のように法的に定められているものではないので、学校によっては通知表が無いところもあります。たとえば、長野県の伊那市立伊那小学校は通知表がありません。総合的な学習に非常に力を入れており、通常の通知表とは違う形で評価を伝えるやり方をしています。

 中学校では、通知表に記された教科の成績が高校入試で合否の一部に影響を与える場合も多いです。そういったこともあり、記載される内容に敏感になる子供や親も少なくありません。

 通知表は学期末、学年末に配布されます。配布後に親から「通知表の内容が間違っているのではないか」という問い合わせ(クレーム)が学校に入ることがあります。親がこのような連絡をしてくる場合、何らかの理由(根拠)があるうえで、連絡をしてくることがほとんどです。「テストでの成績は毎回優秀なのに5段階評価で3が付いているのはなぜか?」等の場合です。

問合せがあった際の対応は丁寧かつ迅速に


 通知表の記載内容についての問合せがあった場合、学校の対応は、丁寧にかつ迅速にする必要があります。自治体によっては、通知表の誤記載に関することは、教育委員会のWebサイトで公開しています。何らかのミスがあったのか、無かったのかによって対応が違ってきます。

 ミスではなく、解釈の違い等の場合は親に丁寧に説明をすることとなります。たとえば、定期テストの点数は良くとも、日々の小テストの点が悪かったり、宿題等の提出物の提出状況が悪かったりする場合等がそれに当たります。そういったことを親が納得できるように伝えていくことが大切になります。こういった際にきちんと説明ができるように評価が数値化され、それらが記録されていることが大事になります。

 ミスがあった場合、その部分の修正が必要になります。また、その人以外の通知表についても同様のミスがなかったのかの確認が必要になります。先ほど触れた解釈の違い等と比べ、対応は複雑ですし、大変な作業になります。現在の通知表はパソコンで作成し、プリントする場合が多いです。表計算ソフト等を用いて成績を出すのですが、入力等で1マスずれてしまうこと等もあり得ます。以前、手書きで書いていた時には書きながら不自然な点に気付くことがありました。プリンターで印刷をすると、そういったことにも気付きにくいです。

 ミスがあったことがわかったら、組織としての対応が必要です。先ほども書いたように教育委員会への連絡も必要になります。まずは原因がどこにあったのかを探ることが大切になります。単に1か所だけ間違えたのか、表計算等で1行、1列がそのままずれていたのかによって影響が違ってきます。他の人にも影響があるようなミスだった場合は修正やその後の対応の範囲も広くなります。

 その際、ミスを隠そうとしたり、ミスした人だけを責めたりするようなことは、組織としては絶対に避けたいです。そういったその場限りの対応は、問題の根本的な解決にはなりません。時を経て、また同じ失敗が起こることもあり得ますし、さらに大きな失敗につながってしまう可能性もあります。学校という組織は、一般社会の組織と比べ、閉鎖的な面があります。今回の通知表の誤記載等、明らかミスがあったら、そういったものをきちんと公表、謝罪し、改善策を示すことをしていきたいです。

 本企画では、読者の皆さまからの質問を受け付けています。下記のボタンをクリックして表示されるフォームより送信ください。実際に学校へ寄せられたクレームの他、保護者が学校へ伝えたクレーム等、鈴木先生に対応方法を聞いてみたいクレーム事例を募集します。

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《鈴木邦明》
鈴木邦明

鈴木邦明

帝京平成大学人文社会学部児童学科講師。1971年神奈川県平塚市生まれ。1995年東京学芸大学教育学部卒業。2017年放送大学大学院文化科学研究科修了。神奈川県横浜市と埼玉県深谷市の公立小学校に計22年間勤務。2018年からは帝京平成大学において教員養成に携わっている。「学校と家庭をつなぐ」をテーマに保護者向けにも積極的に情報を発信している。

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