文部科学省は2021年12月17日、日本大学に指導通知を出した。不祥事対応として、真相究明に向け徹底した調査を求めるとともに、学校法人にふさわしい管理・運営体制の再構築を強く指導。2022年3月末までに最終的な調査報告と改善方策を提出するよう求めている。 日本大学は、前理事長が所得税法違反容疑、元理事が背任容疑で逮捕。一連の不祥事が、日本大学ブランドを大きく揺るがす事態となっている。 12月17日に会見した文部科学省の末松信介大臣は、「日本大学が記者会見を行ったが、依然として具体的な改善方策を示さず、問題の背景あるいは全体像が明らかになっていないことは大変遺憾」と発言。文部科学省として、さらに厳正な対応を行う必要があるとの考えから12月17日午後、日本大学に対して具体的な対応を求める指導通知を発出すると明らかにした。 通知では、真相究明に向け徹底した調査をあらためて求めるとともに、学校法人にふさわしい管理・運営体制の再構築を強く指導。具体的には、「実効性のある再発防止策の策定とそれを確実に実行できる執行体制の構築」「役員および評議員の選任方式の見直し」「前理事長への損害賠償請求」「解散を含む子会社管理のあり方の見直し」等をあげ、2022年1月中旬までに具体的な対応状況を報告し、3月末までに最終的な調査報告および改善方策を提出するよう要請している。 さらに「今後、この指導内容への日本大学の対応状況によっては、私立学校に基づく行政処分、そのため必要な措置を講じる必要があるので、そのことを念頭においている」とも語り、今回の事案を受けた私立大学等の経常費補助金の取扱いについては、2022年1月下旬の日本私立学校振興共済事業団の運営審議会で判断されると説明。「今回の事案の重大性を考え、明らかになった事実関係や日本大学の対応状況を踏まえて極めて厳正な判断がなされることが重要だと考えている」と述べた。