いじめ・ハラスメント報告・相談プラットフォームの提供・教育コンテンツの開発を行うマモルは2021年12月16日、教育心理の研究者が開発した小学生の保護者向けいじめ防止リーフレット「Connect Hearts Program」の無償提供を開始した。Webサイトにて申込み後、URLから無償ダウンロードできる。 文部科学省が発表した「令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」によると、2020年度の小・中・高等学校および特別支援学校におけるいじめの認知件数は51万7,163件となり、前年比で減少しているものの依然として深刻な課題を抱えている。インターネットやSNSの普及によりいじめの多様化・複雑化が進む中、学校の教職員だけでなく、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、関係機関との連携による教育相談体制の充実や未然防止と早期発見・早期対応、家庭・地域社会等の理解による地域ぐるみの取組みが必要になっているという。 マモルは、子供たちの間で深刻な問題となっているいじめを予防することを目的に、親子で取り組むいじめ予防プログラム「Connect Hearts Program」を展開。いじめ等の学校で生じる問題を研究する目白大学、都留文科大学、筑波大学、埼玉学園大学の4名の研究者と共に、エビデンスベースの情報をもとにしたリーフレットを開発した。 リーフレットはオールカラー全7ページで構成。いじめの仕組みを知り、親子でいじめについて考えるきっかけを提供する。また、保護者ができるいじめの予防や初期対応についても掲載。教職員や保護者の個人的な勉強だけでなく、地域での研修やPTA、ソーシャルワーカーによる研修にも利用できる。マモルではリーフレットをはじめ、大学と連携開発した各種教材を用いた研修事業も実施している。 リーフレットはマモルのWebサイトから申込み後、届いたメールに記載しているURLから無償でダウンロード可能。また、書籍「いじめ予防スキルアップガイド:エビデンスに基づく安心・安全な学校づくりの実践(金子書房)」からもダウンロードできるという。 いじめは学校生活の心配事の大きな1つであり、自分の子供がいじめの被害者だけでなく、加害者にもなり得ることを心配する保護者は多い。マモルと開発に携わった研究者は、「いじめの仕組みを知って、対応できるように備えておくことができれば、子供のSOSに対応する自信が高まる。いじめに対する正しい知識等を学ぶことで、少しでもいじめで悲しい思いをする親子が減ることを願っている」とコメントを寄せている。