教員免許更新制とは
2007年6月の改正教育職員免許法の成立により、2009年4月1日から導入された制度。その時々で求められる教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識技能を身に付けることで、教員が自信と誇りをもって教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることを目指している。不適格教員の排除を目的とはしていない。
教員免許更新制廃止について
10年に1度の免許状更新講習を義務付ける教員免許更新制度をめぐり、2021年11月15日に開催された中央教育審議会「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会と初等中等教育分科会教員養成部会の合同会議で、発展的解消を盛り込んだ審議まとめが了承された。
教員免許更新制を廃止…審議まとめ了承、中教審
文部科学省の末松信介大臣は2021年11月19日、2022年の通常国会での法改正を目指し、2022年度早期に廃止したい考えを明らかにしている。教員免許更新制の発展的解消に関する制度改正のスケジュールについて、「審議まとめを踏まえた新たな仕組みに早期に移行する必要があると考えたため、先日事務方に対して、国の指針の改正について次期通常国会で法改正を認めていただいた場合、時間を置かず速やかに施行する方向で検討調整を進めるよう指示した」と説明した。公立学校教師の任命権者に対する記録管理の義務付けについては、都道府県等で準備が必要と指摘。「2023年度から実施することを念頭に置いて、来年度国会で法律改正を認めていただいた場合、できるだけ速やかに実施いただけるよう都道府県等に働きかけていきたい」と語った。
教員免許更新制、2022年度早期に廃止へ…文科省
教員免許更新制が廃止されるタイミングと更新手続きについて(2022年2月28日)
教員免許更新制の廃止に向けて、教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案が2022年2月25日に閣議決定された。改正法案では、教育職員免許法の一部改正により、普通免許状と特別免許状を有効期限の定めのないものとし、更新制に関する規定を削除する。また、改正前の規定により有効期間が定められた普通免許状と特別免許状には、施行日以後は有効期間の定めがないものとする等の経過措置を設ける。
教員免許更新制廃止の施行期日は7月1日。今国会で成立すれば、法律施行後に免許の有効期限を迎える先生は、免許状更新講習の受講や免許更新の手続きが不要となる。
教員免許更新制、廃止へ…改正法案が閣議決定
教員免許更新制の廃止決定、改正法案が成立(2022年5月12日)
教員免許更新制の廃止を盛り込んだ教育公務員特例法と教育職員免許法の一部を改正する法律案が2022年5月11日、参議院本会議で可決、成立した。2022年7月1日の施行日以後は、普通免許状と特別免許状を有効期間の定めがないものとし、更新制に関する規定を削除。7月1日から教員免許更新制は解消される。
新たな研修制度は、2023年4月からスタート。校長および教員の資質向上のための施策をより合理的かつ効果的に実施するため、任命権者は校長および教員ごとに研修等に関する記録を作成。教師の資質向上に関する指導や助言等に関する規定を整備する。
5月10日に会見した文部科学省の末松信介大臣は、今回の法改正にともない、文部科学大臣が定める資質向上に関する「指針」の改正、それに基づく「ガイドライン」を新設する予定であるとし、2022年夏に具体的な内容を示せるように検討したいとした。
教員免許更新制の廃止決定、改正法案が成立
更新制廃止後の取扱いについて(2022年5月16日)
7月1日以降の教員免許状の取扱いについては、施行日時点で有効な教員免許状(休眠状態のものを含む)は、手続きなく、有効期限のない免許状となる。
施行日前に有効期限を超過した教員免許状については、更新制導入後(2009年4月1日以降)に初めて免許状の授与を受けた者が保有する「新免許状」、更新制導入前(2009年3月31日以前)に初めて免許状の授与を受けた者が保有する「旧免許状」ともに現職教師(産休・育休中の者等も含む)は失効。非現職教師(ペーパーティーチャー等)は、新免許状では失効、旧免許状では休眠となる。
失効した免許状については、都道府県教育委員会に再授与申請手続きを行うことで、有効期限のない免許状の授与を受けることが可能。ただし、極めて例外的なケースとして、2000年の教育職員免許法改正にともなう経過措置により授与された免許状については、免許状が再授与されない場合がある。