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【クレーム対応Q&A】放課後の約束の仕方を指導してほしい

 子供同士の遊びの日時や場所等を決めることについて、学校で指導してほしいと親から依頼されることがあります。今回は「放課後に子供同士で遊ぶ約束の仕方を指導してほしい」ということをテーマとしたいと思います。

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 学校に寄せられるさまざまなクレーム。保護者や地域からのクレームに先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまなクレームに対応する際のポイントを聞いた。第41回は「放課後に子供同士で遊ぶ約束の仕方を指導してほしい」。

 学校で子供のようすを見ていると、子供同士で放課後に遊ぶ約束をしたけれども、約束の内容等が曖昧で結局遊べなかったということが時折起こります。そういったことと関連し、遊びの日時や場所等を決めることについて、学校で指導してほしいと親から依頼されることがあります。このことは、子供に関して、どこまでが学校の役割で、どこからが家庭の役割なのかという少し難しい問題を含んでいます。今回は「放課後に子供同士で遊ぶ約束の仕方を指導してほしい」ということをテーマとしたいと思います。

学校が多くの仕事を抱えてしまっている


 過去の記事で「学校は破裂寸前の風船のようなもの」という表現を使ったことがあります。「子供のため…」という言葉によって、学校が多くの仕事を抱えてしまっていることの比喩です。今の学校は本当に学校という組織自体も、そこで働く教職員も何かのきっかけで壊れてしまう可能性があるのではと私は感じています。実際、少なくない数の教員が療養休暇を取るような状況になっています。

 今回のテーマである「放課後に子供同士で遊ぶ約束の仕方」については、学校で教員が指導する内容ではないと私は思います。教師(学校)は、保護者や地域等に対して、良い印象を持たれたい(悪い印象を持たれたくない)という思いが強くあります。そうしないとさまざまな学校教育活動をスムーズに行うことが難しくなるからです。そういった思いもあり、本来は学校が対応することで無いようなことでも、学校が担当するということになってしまいがちです。

学校の役割を明確にする


 小学校の場合、学校の保育所的な機能を期待する親もいます。2020年の春のコロナによる一斉休校では、仕事のある親と学校が休校になってしまう子供の問題が大きな問題になりました。本来の学校の役割とは少し違う役割を求められることもあります。そういった際は、学校がきちんと説明をし、「〇〇は学校の役割で、△△は家庭の役割です」と伝えていくことが理想です。ただ先ほども書いたように学校としては親や地域からできればよく見られたいという思いもあり、本来は学校の業務で無いことでも学校として受けてしまうことがあります。

 今回のテーマとなっている「放課後に子供同士で遊ぶ約束の仕方」はまさにそういったものに当てはまります。放課後の遊びについて、またその約束の方法については、少し面倒でも親が対応すべき内容です。誰と遊ぶのか、どのように遊ぶのか、遊ぶ際の約束はどのようにするのか等は、子供とその親が決めるべきことですし、また責任を持つことです。

 実際の場面においては、放課後のことに関しては親が責任を持つべきものであることを伝えます。たとえば、登下校の安全等も本来は親の責任であることを伝えていきます。また、そういった遊びに関する色々なやり取りが子供にとっても、親にとっても学びや育ちにつながるものであることを伝えるようにします。うまくいくことだけでなく、うまくいかないことを経験することも良い学びや育ちにつながっていきます

鈴木 邦明(すずき くにあき)
平成7年 東京学芸大学教育学部 小学校教員養成課程理科専修卒業。平成29年 放送大学大学院文化科学研究科生活健康科学プログラム修了。神奈川県横浜市、埼玉県深谷市で計22年、小学校教諭として勤務。現場教員として子供たちの指導に従事する傍ら、幼保小連携や実践教育をテーマとする研究論文を多数発表している。こども環境学会、日本子ども学会など、多くの活動にも関わる。平成29年4月からは小田原短期大学特任講師、平成30年4月からは帝京平成大学講師として、子供の未来を支える小学校教諭、幼稚園教諭、保育士などの育成や指導に携わる。近著に「オンライン、ソーシャルディスタンスでできる 学級あそび&授業アイスブレイク」(明治図書)がある。
《鈴木邦明》

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