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【クレーム対応Q&A】成績悪いと連帯責任

 保護者や地域からのクレームに先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまなクレームに対応する際のポイントを聞いた。第19回は「成績悪いと連帯責任になる」。

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 学校に寄せられるさまざまなクレーム。保護者や地域からのクレームに先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまなクレームに対応する際のポイントを聞いた。第19回は「成績悪いと連帯責任になる」。

学校の役割の1つは
「仲間と関わること」


 学校で子どもが学ぶということには、いくつかの意味があります。その中の1つが「仲間と関わること」です。自分の考えと違ったものに触れること、頑張っている友達の姿を見ること、うまくいかない時に助けたり、助けられたりすること…。そういったものは、オンラインでは取り組みにくいものもあり、対面での学校での授業の良さなのでしょう。今回、新型コロナウイルスの流行によって、改めてそういった学校教育における良さとは何であるのかということが問われました。日本が初めて経験した学校の一斉休校などによって、学校の役割、学校での学びの意味などを改めて考えることとなりました。

 ただそういった仲間と一緒に学ぶ中で教師として注意をしたいものもあります。「連帯責任」などに関するものです。学びにおいて、グループやペアなどを作り、それを活用しながらさまざまな学習に取り組むことがあります。先ほども書いたようにそういった活動にはいくつものメリットがあります。しかし、そのやり方を少し間違えてしまうと、子どもの学びの質が下がり、場合によっては学級の雰囲気が悪くなってしまうこともあります。最悪の場合には、教師不信から学級崩壊のような状況に陥ってしまうこともあります。

 グループでの取組みにした際、仲間同志で苦手な人などをフォローするようであれば、うまく活動に取り組むことができている状況です。しかし、時には、苦手な人を「足を引っ張る存在」として見てしまう状況になることがあります。それは、「グループの全員がその課題を終わらないと休み時間にすることができない」や「漢字テストや計算テストを班対抗で行い、不合格者がいると他の人も合格にならない」などのやり方の時に起こりやすいものです。

状況によって柔軟に変えていくことが大切


 実際、保護者から「連帯責任」に関係することで、クレーム(意見)をもらった場合は、そういったやり方はやめた方が良いでしょう。教師のねらいとしては、仲間とうまく関わることによって、学びの質を上げていきたいというものだと思います。ただそういったやり方に関してクレームが来るような状況は、教師がねらっていることができていない(プラスの面よりもマイナス面が大きい)状況だと思います。教師としては、良い方法だと考え、それに取り組んでいるのだと思いますが、意地を張って自分のやり方を通そうとしてもそれは保護者や子どもからの担任不信など、マイナスな形に働いていくことが予想されます。教師がムキになればなるほど、状況は悪化してしまうことが多いです。

 学習だけではありませんが、取り組む方法は色々なやり方があります。学級にいる子どもの集団はその年によって色々と変わります。また、その他の状況もその時々によって変わります。自分が良いと思った方法であっても、状況によって柔軟に変えていくという考え方が良いのだと思います。色々なやり方を学ぶ、身に付けることは教師にとって大事なことでしょう。

鈴木 邦明(すずき くにあき)
平成7年 東京学芸大学教育学部 小学校教員養成課程理科専修卒業。平成29年 放送大学大学院文化科学研究科生活健康科学プログラム修了。神奈川県横浜市、埼玉県深谷市で計22年、小学校教諭として勤務。現場教員として子どもたちの指導に従事する傍ら、幼保小連携や実践教育をテーマとする研究論文を多数発表している。こども環境学会、日本子ども学会など、多くの活動にも関わる。平成29年4月からは小田原短期大学特任講師、平成30年4月からは帝京平成大学講師として、子どもの未来を支える小学校教諭、幼稚園教諭、保育士などの育成や指導に携わる。近著に「オンライン、ソーシャルディスタンスでできる 学級あそび&授業アイスブレイク」(明治図書)がある。
《鈴木邦明》

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