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東大の赤字報道に文科省が見解、研究者削減検討の事実はないが経営努力必要

 文部科学省は2026年8月12日、「東京大学の財務状況に関する報道についての見解」を公表した。

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 文部科学省は2026年8月12日、「東京大学の財務状況に関する報道についての見解」を公表した。東京大学が2025年度決算で赤字となったことに関する一部報道を受け、損益計算書上の赤字は直ちに資金不足を意味するものではなく、東京大学が資金ショートの状況にあるわけではないと説明している。

 文部科学省によると、国立大学法人会計基準では、設備の減価償却費が費用として計上される一方で現金支出には反映されないことや、寄付金が受入時に収益として計上されないことなどから、損益計算書上は赤字でもキャッシュフロー計算書上は黒字となる場合がある。そのため、単年度の赤字のみをもって資金がショートしていると判断することはできないとしている。実際に2025年度決算では12の国立大学法人が損益計算書上で赤字となったが、こうした大学で資金ショートが生じている状況ではないという。

 東京大学については、2025年度決算時点で資産総額が1兆5,217億円、このうち現金および預金が1,262億円。さらに利益剰余金1,546億円、寄付金861億円を保有しているほか、キャッシュフロー計算書では25億円の黒字となっていることから、直ちに資金ショートを起こす状況にはない。文部科学省も「研究者の削減を検討しているような事実はない」と説明している。

 東京大学はこれに先立つ8月7日、「本学の財務状況に関する報道について」と題する見解を公表。一部報道にあった「研究者数の削減が不可避」との記載について、「研究者数の削減を検討している事実はなく、そのような方針や計画を決定した事実もない」と否定した。また、「文部科学省に2025年度決算とあわせて2026年度予算を提出した」との報道についても事実ではないと説明した。

 同大学を取り巻く財務環境については、人件費や物価上昇の影響により厳しさが増しているとし、中長期的な視点から財務基盤の強化に取り組む必要があるとの認識を示した。同大学は、収入基盤の拡充や業務構造改革による効率化・経費適正化などを進めており、これらの取組みは教育・研究・診療・社会連携活動を将来にわたって維持・発展させることが目的だとしている。

 また文部科学省は、東京大学が2026年度予算を当初から44億円の赤字を前提として編成していることに触れ、「なお経営努力が必要」と指摘。そのうえで、大学病院における不祥事の再発防止に向けたマネジメントの強化や、教育研究組織の新陳代謝、事務組織の効率化・合理化などが求められるとした。

 文部科学省は、国立大学法人運営費交付金について、2025年度補正予算と2026年度当初予算をあわせて前年度比609億円増額(そのうち、東京大学には37億円措置)したとしており、今後も各大学の教育研究活動を支えるため、2027年度予算の概算要求に必要な予算を盛り込む考えを示している。

《編集部》

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