文部科学省の松本洋平大臣は2025年11月14日の会見で、「科学の再興」に関する有識者会議が提言案を示したと報告した。理系の知識をもった人材の育成や文理分断からの脱却についても語った。
11月13日に開催された「科学の再興」に関する有識者会議では、研究力の抜本的強化による科学の再興に関する提言案が示され、座長一任という形で了承された。提言案では、科学を再興し、科学を基盤に日本の将来を切り拓くべく、基礎研究・学術研究の国際的な優位性を取り戻すために必要な取組みなどをまとめている。
会見で松本大臣は「今後取りまとめられる提言の内容を来年度から始まる次期科学技術イノベーション基本計画に反映するよう、関係府省と連携して議論を進めつつ、科学技術関連施策の推進を全力で進めていく」と語った。
また、理系人材が増えない原因を尋ねられた松本大臣は、大学の理工農保健系の入学定員が少なく理系を学びたい需要に対応できていないことや、高校の早い段階で文系理系を選択して理数科目から離れてしまう状況を要因にあげた。理系人材を増やすための文部科学省の取組みや成果にも触れたうえで、「文理分断の構造の転換に向け、高校教育とも連動し、特に大都市の大学における理工デジタル系人材育成の強化や文系学部における理数的素養を伸ばす教育に対する支援などの改革に一気通貫で取り組む必要がある」と述べた。
このほか、日本で初めての開催となるデフリンピックへの期待、ユネスコが人間の脳や神経系の活動を測定・分析・活用する技術「ニューロテクノロジー」の倫理勧告を採択したことに対する受け止めなども語った。







