国立高専機構とパナソニック ホールディングスは2025年11月5日、生成AIなどのソフトウェア技術とモノづくりの融合が求められる時代を見据え、新たな人財育成を目的とした包括連携協定を締結したと発表した。
近年、モノづくりはハードウェア中心からソフトウェアとの融合によるソリューション型へと急速に変化している。グローバル競争の中で技術力を維持・強化するためには、こうした変化に対応できる人財の育成が不可欠となっている。
同協定を通じて、高専機構とパナソニックグループが日本のモノづくり分野における人財育成の新しいカリキュラムを共同で開発する。高専機構と民間企業が中長期視点で相互の人財育成を目的としたカリキュラム開発は初の試み。「次世代のモノづくり」を担う人財育成と教育の高度化に取り組む。
協定の内容は3つの柱で構成される。1つ目は「実践的な教育の共創」で、生成AIやデータ活用を含むパナソニックグループのモノづくり技術・知見を活用し、カリキュラムの共同開発をはじめとした、次世代のモノづくり人財を育成するための実践的な教育を共創する。学生が現場課題の解決力や新たな価値創出スキルを体系的に習得することを目指す。
2つ目は「教育・研究の高度化に向けた支援」で、講演や教材の提供、専門人財の派遣などの支援を通じて、全国の国立高等専門学校における教育・研究の高度化、教育の質的向上を図る。
3つ目は「人財交流」で、実践的な教育の共創と教育・研究の高度化に向けた支援の取組みを効果的に推進するために、産学がオープンに次世代のモノづくりを担う人財の育成について検討できる場の下地作りとして、ワーキンググループを組成していく。この枠組みを活用し、パナソニックグループの技術者と高専機構の教員が交流を深めることで、教育・研究の現場における知見の循環と連携の活性化を図る。
さらに、技術者が教育に教員が企業の事業活動にも参画するクロスアポイントメント制度の活用により、連携を推進する体制を強化し、各種取組みの実施と定着を目指す。
環境変化に対応する人財育成に向け、今回の包括連携協定により、次世代のモノづくりを担う人財の育成と教育の高度化が期待される。







