文部科学省は2025年6月6日、「教育DXを支える基盤的ツールの整備・活用事業(教育データ利活用の加速化事業)」において、2025年度(令和7年度)の実証自治体の公募を開始した。対象は全国の都道府県および市区町村(政令指定都市を含む)の教育委員会で、応募締切は6月27日午後5時。採択件数は最大3件を予定、1件あたりの事業規模(経費上限)は2,000万円(税込)となっている。
この事業は、GIGAスクール構想により整備された1人1台端末環境を背景に、教育データの活用を支援するシステム環境を自治体単位で構築・検証することを目的に実施するもの。全国的には教育データを連携・分析・利活用できる環境が整っていない自治体が多い現状を踏まえ、実証研究を通じて有効な取組みモデルを示すことをねらいとしている。
実証では、文部科学省が2024年度に公表した「今からはじめる!NEXT GIGA 教育データ利活用のステップ(β版)」に基づき、教育委員会・学校・児童生徒が必要とするデータをダッシュボードで分析・可視化する仕組みなどを含んだ環境を構築する。とくに、複数の学習系・校務系システムから得たデータを統合し、個別の児童生徒の情報を一元的に管理・連携して活用できる仕組みの整備などが重視されている。ダッシュボードは学校管理職向け、教師向け、児童生徒向け、教育委員会向けなど複数の形態が想定されている。
実証のパターンとしては、複数のツール・システムと連携が可能なデータ利活用のためのデータ連携機能付システム(仮称)を利用して、データ利活用を推進する「パターン2」と、複数のツール・システムのデータを集約し、独自のダッシュボードなどで可視化、データを利活用する、より高度な環境を構築する「パターン3」のいずれかが対象となる。すでに整備済みの環境を活用し、一部改修を行う実証も可能としている。
採択件数は、「パターン2」のうち、すでにシステム構築済みの環境の改修が1件、新たなシステム環境の構築が1件。「パターン3」は新たなシステム環境の構築で1件の採択を予定している。実証事業に必要な経費の規模は、1件あたり 2,000万円(税込)が上限。複数の地方自治体による共同応募や地方自治法上の一部事務組合、広域連合による応募も可能。
応募には、申請書のほか、詳細を記した事業計画書、所要経費の根拠資料などが必要。応募資料は、6月27日午後5時までに電子メールで提出する。なお、提出後に電話にて提出した旨を連絡する必要がある。公募に関する質問がある場合は、6月17日午後5時まで受け付ける。詳細は、文部科学省Webサイトに掲載の「公募要領、審査基準、審査要領」にて確認できる。
◆令和7年度「教育DXを支える基盤的ツールの整備・活用事業」(教育データ利活用の加速化事業) 実証自治体公募概要
対象:都道府県・市区町村の教育委員会(共同応募なども可能)
採択件数:最大3件(パターン2の改修1件・新規1件、パターン3の新規1件)
事業規模:1件あたり2,000万円(税込)
応募方法:必要書類一式を電子メールで提出後、電話で連絡
応募締切:2025年6月27日(金)17:00
公募に関する質問受領期限:2025年6月17日(火)17:00