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教職員の選挙運動禁止を周知徹底…参院選に向け文科省

 第27回参議院議員通常選挙に向けて、文部科学省は2025年6月2日、教職員等の選挙運動の禁止について都道府県の知事や教育長らに通知した。教育公務員として、地方公務員法や教育公務員特例法、公職選挙法に留意するよう、学校や教職員への周知徹底を求めている。

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 第27回参議院議員通常選挙に向けて、文部科学省は2025年6月2日、教職員等の選挙運動の禁止について都道府県の知事や教育長らに通知した。教育公務員として、地方公務員法や教育公務員特例法、公職選挙法に留意するよう、学校や教職員への周知徹底を求めている。

 参議院議員の選挙は、7月28日の任期満了にともない、近く行われる予定。文部科学省はこれを受け、都道府県知事、都道府県教育委員会教育長、指定都市・中核市市長、指定都市教育委員会教育長宛てに6月2日付で、教職員等の選挙運動の禁止について通知を出した。

 通知では、公務員は政治的中立性を確保し、行政の公正な運営の確保を図る必要があり、特に教育公務員は「教育基本法等における教育の政治的中立性の原則に基づき、特定の政党の支持または反対のために政治的活動等をすることは禁止されている」と強調。教育公務員の職務と責任の特殊性により、教育公務員特例法で公立学校の教育公務員の政治的行為の制限は、国家公務員の例によることとされ、人事院規則で定められた政治的行為が禁止されており、公職選挙法においても選挙運動などに特別の定めがあると説明している。

 「学校の内外を問わずその地位を利用して特定の政治的立場に立って児童生徒等に接することなどにより、その職の信用を傷つけ、学校教育に対する国民の信頼を損なうこととなる場合は、地方公務員法に基づき、信用失墜行為の禁止に抵触する可能性がある」とも記載。今回の選挙にあたり、地方公務員法および教育公務員特例法、公職選挙法などに留意し、教育公務員が個人としての立場で行うか職員団体などの活動として行うかを問わず、服務規律の確保を徹底するよう要請している。

 また、公立学校の教育公務員以外の職員や教育委員会事務局職員等についても、地方公務員法および公職選挙法により政治的行為が制限されていると指摘。教育委員会の教育長や委員も、地方教育行政の組織および運営に関する法律および公職選挙法において、積極的に政治運動をすることやその地位を利用して選挙運動をすることは禁止されているとしている。

 通知では、地方公務員法や教育公務員特例法、公職選挙法の関係条項について内容を記載。選挙運動の禁止制限に違反することは許されず、法令の遵守の徹底は任命権者や服務監督権者の責務であるとしたうえで、通知の趣旨を所管の学校や教職員に周知徹底し、非違行為を行った者には厳正な措置をとるよう求めている。

 参考資料として、教育公務員の違反行為の具体例も添付。「児童生徒および保護者に対する面接指導の際、自分の支持する政党や候補者の名をあげる」「選挙用ポスタ-を貼ってまわる」「勤務時間の内外を問わず、選挙運動等のために、公の設備である学校の電話、FAX、パソコン、コピー機等を用いる」などを違反行為の例にあげている。

《奥山直美》

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