行知学園は2025年5月8日、「第1回日本語教員試験」の調査結果を公表した。2024年11月に行われた同試験の合格率(全試験合格者と応用試験のみ受験者の平均)は43.5%で、受験者の多くが試験の難易度を高く感じ、独学での合格は難しいと考えていることがわかった。
「登録日本語教員」は、2024年4月から施行された国家資格であり、認定日本語教育機関で日本語教育課程を担当できる。資格取得には、登録実践研修機関と登録日本語教員養成機関での実践研修を経る「養成機関ルート」や、日本語教員養成課程の受講歴や実務経験に応じた「資格取得ルート」がある。法施行後5年以内に資格を取得しない場合、認定日本語教育機関での勤務ができなくなる経過措置が設けられている。
「第1回日本語教員試験」に関する調査は2025年4月2日~4月4日、日本語教師の民間資格または登録日本語教員の国家資格をもつ人を対象にPRIZMAによるインターネット調査で実施。702人の回答を得た。
調査結果によると、経過措置制度の認知度は約8割で、実際に受験した人も多い。試験の難易度については、約7割の受験者が「とても難しかった」または「難しかった」と回答。特に文法問題や長文読解が難しいと感じた人が多かった。
試験対策としては、「日本語教育能力検定試験の過去問を解いた(独学)」がもっとも多く、オンライン学習プラットフォームや「登録日本語教員」専門講座の受講も多くみられた。しかし、独学での合格は難しいと感じる人が約9割にのぼり、専門講座の受講を希望する声が多い。
未受験者の今後の受験意向については、約半数が受験を希望しているが、受験予定時期は「未定」が多い。資格取得ルートの把握や試験内容の理解を深めることが重要とされる。
資格取得後のキャリアについては、「国内の日本語学校」や「小学校・中学校・高等学校」での勤務を希望する人が多く、教育の場が多様化しているようすがうかがえる。行知学園では「試験対策から就業支援まで一貫して行う専門講座の需要は、今後ますます高まるだろう」と分析している。