保育士の新配置基準に関する調査が、コドモンによって実施された。8割以上の保育施設が新たな配置基準に対応していることが明らかになった一方で、配置基準変更にともなう課題として「保育士の人手不足」が多くあげられ、半数以上が新基準を「不十分」と感じていることがわかった。
「保育士配置基準の実態調査」は、2024年4月に改正された保育士の配置基準変更による効果について調査したもの。全国の保育士200人を対象に、2025年2月26日から28日の期間に実施した。調査結果によると、67.5%の施設が改定前から新基準を満たしていた一方で、「現在も新基準を満たせていない」との回答も17.9%みられた。
配置基準変更による効果については、半数の保育士が「子供ひとりひとりに向きあう時間が増えた」と実感していると回答した。しかし、「特に変化を感じなかった」とする回答も31.8%にのぼった。
新配置基準への対応が遅れた理由としては、「保育士の人手不足」が77.8%で最多であり、ついで「財政的な余裕がない」が30.6%、「退職者が多い」が22.2%という結果となった。
配置基準改善に向けた対応策としては、「新たに正社員を雇用した」が31%、「新たに保育士資格を保有した人を短時間勤務者として採用した」が29.5%と、それぞれ3割程度の施設が取り組んでいる。中には、保育士資格非保有者を採用した施設も存在する。
新たな配置基準に対する評価では、「どちらかといえば不十分」、「不十分」と回答した割合が54.5%に達し、過半数以上が適切とは感じていないことが明らかになった。特に4歳児の配置基準については、現場保育士が適切だと思う人数の平均値が15.3人で、国の基準を約10人下回る結果となった。
現場職員が大きな負担と感じている業務としては、「保育計画などの事務作業」が36.5%で最多であり、ついで「休憩を子供と離れて取ること」が35%であった。これらの結果から、日常的な業務の遂行に対して不安を感じている保育士が多いことがうかがえる。
今回の調査結果は、保育士の労働環境改善に向けた課題を浮き彫りにしており、今後の対応が求められる。