兵庫県は、2026年度の公立学校教員採用候補者選考試験において、教員経験者の試験免除や多様な人材の確保、ICTを活用した模擬授業の拡大など、いくつかの変更点を発表した。これにより、兵庫県が求める教員としての素養を備えた人材を継続的に確保することを目指す。
今回の変更点の背景には、教員の質を高めるとともに、多様な人材を確保するという目的がある。特に、教員経験者や大学生を対象とした試験免除や加点措置を導入することで、経験豊富な人材や新たな視点を持つ若者を積極的に採用する方針だ。
具体的には、教員経験者に対しては、第1次選考試験をすべて免除する。これにより、現職の教諭、養護教諭、栄養教諭が対象となる。また、常勤の臨時講師に対しては、一般教養試験を免除する。これまでの加点措置を見直し、筆記試験の一部を免除することで、より多くの経験者が採用試験に挑戦しやすくなる。
さらに、大学生等を対象とした児童生徒支援活動経験に対する加点も導入する。学生(ハートフレンド)人材バンクに登録している大学生などが、児童生徒支援活動に10日以上参加した場合、最大8点の加点が与えられる。この措置により、教育現場での実践経験を持つ学生が採用試験で有利になる。
多様な人材の確保に向けては、「特別免許状授与を前提とした特別選考」の出願要件を拡大する。中学校「技術」「家庭」、高等学校「家庭」「工業」の教科に関わる博士号所有者も出願可能となり、専門知識を持つ人材を積極的に採用する方針だ。また、高等学校区分(情報)の出願者は、中学校「技術」教諭普通免許状の有無に関わらず、第2希望として「中学校・特別支援学校区分(技術)」を希望できるようになる。
ICTを活用した模擬授業の実施教科も拡大する。これまでの教科に加え、中学校・特別支援学校区分および高等学校区分の「英語」を追加。これにより、ICTを活用した教育の実践力を持つ教員の育成が期待される。
2026年度の選考試験は、集団面接試験が6月14日、筆記試験が7月20日に実施予定。試験場や受付時間については、後日公表する。兵庫県は、これらの変更を通じて、教育現場における多様な人材の確保と質の向上を図る考えだ。