政府は2024年12月17日、産休・育休者の業務を代替する教職員の安定的な確保に向けた政令の改正について閣議決定した。2025年4月から施行し、これまで非正規教員に限られていた産育休代替者の給与への国庫負担について、正規教員も対象とする。
義務教育費国庫負担制度とは、義務教育の根幹を国が責任をもって支えるため、公立義務教育諸学校(小・中学校、義務教育学校、中等教育学校の前期課程、特別支援学校の小・中学部)の教職員給与費の3分の1を国が負担する制度。
12月17日に閣議決定したのは、義務教育費の国庫負担法に基づき教職員の給与国庫負担額を定める政令の一部改正。産休・育休の代替者の給与に3分の1を国庫負担できるのは、これまで非正規教員に限られていたが、法令改正により正規教員も対象となる。2025年4月1日から施行する。
現在、産休・育休の取得者が出るたび、臨時講師を確保することが困難な状況が生じ、法令改正を求める声があがっていた。産休や育休を取得する教員の業務を代替する臨時講師の不足が、現在の教員不足のおもな要因の1つとされており、教員不足の解消につなげたい考え。
12月17日に会見した文部科学省のあべ俊子大臣は、法令改正について「産休や育休を取得する教師の代替者の安定的な確保が可能となるとともに、教師不足を解消する一助となる。何よりも教師の皆様が産休や育休を安心して取得できるようになり、働きやすい職場環境となる効果が期待される」と述べた。
今後については、改正内容を周知し、改正を踏まえた計画的な正規職員の採用を促していきたいとしている。