厚生労働省は2023年5月17日、全国の2010年（平成22年）5月10日～24日の間に出生した子供（小学6年生）を対象に「21世紀出生児縦断調査」の第12回調査を実施、結果を公表した。母が有職の割合が初めて8割を超え、常勤の割合も3割まで増加した。子供の生活の状況についてもまとめている。
「21世紀出生児縦断調査（平成22年出生児）」は、2010年（平成22年）に出生した子供の実態および経年変化の状況を継続的に観察し、同様に調査している21世紀の初年である2001年（平成13年）に出生した子供の調査結果と比較対照を行うことで、少子化対策の基礎資料を得ることを目的としたもの。
調査は、2010年の出生時より毎年行い、今回が第12回となる。母親の就業状況、子供の生活の状況等の調査を郵送およびオンラインにて実施。対象は、全国の2010年5月10日～24日の間に出生した12歳（小学6年生）の子供。調査時期は、2022年5月25日。
母が有職の割合は81.0％で、平成13年出生児（第12回調査）の73.7％に比べて7.3ポイント上昇。出産1年前には62.0％だった割合が、第1回調査（出産半年後）で35.5％まで低下したが、その後は年々上昇し小学校の最高学年となる小6で初めて8割を超えた。
母の就業変化をみると、「常勤」の割合は、第4回調査（3歳6か月）の23.8％からゆるやかに上昇し、第13回調査（小学6年生）では30.0％に。「パート・アルバイト」の割合も第1回調査（出産半年後）の5.7％から年々上昇し、43.9％となった。
また、出産1年前の就業状況が「常勤」の母について、第1回調査から第12回調査まで継続して「常勤」の母の割合は平成22年出生児で34.5％となり、平成13年出生児の24.9％に比べて9.6ポイント高い結果となった。
子供の生活の状況に関する調査結果をみると、学校生活のようすでは、平成13年出生児と同様「友達に会うことが楽しい」が約9割となり、第7回調査（小学1年生）から第12回調査（小学6年生）まで学年が上がっても9割前後を維持している。
その他の項目では、「行事（遠足、運動会等）が楽しい」が多少減少しているものの8割をキープ。一方、「勉強が楽しい（体育・音楽等を含む）」は、第7回調査（小学1年生）83.3％から第12回調査（小学6年生）56.4％まで減少。「給食が楽しい」「先生に会うことが楽しい」も学年が上がるにつれ減少傾向にある。
子供がお手伝いをする割合は、平成22年出生児で77.6%と、平成13年出生児の80.9%と比べて3.3ポイント低下。性別にみると、男児77.0%、女児78.1%と大きな差はみられない。お手伝いの種類別では、男児・女児ともに「部屋やお風呂等の掃除をする」がもっとも高く、ついで「洗たく物を干したり、たたむ」等。平成13年出生児と比べると、男児・女児ともに「洗たく物を干したり、たたむ」がもっとも上昇し、「おつかいをする」がもっとも低下している。
父母の状況と子供のお手伝いの状況を関連付けてみると、母が「有職」の場合は「洗たく物を干したり、たたむ」「お米をといだり、料理を作るのを手伝う」等の割合が「無職」の場合よりも高かった。また、父が家事を「よくする」「ときどきする」と回答した場合は、父が家事を「ほとんどしない・まったくしない」場合よりも、子供のお手伝いをする割合が高い傾向がみられた。
調査結果は厚生労働省Webサイトに掲載されており、詳細を確認できる。
