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みんなのコード×宮教大附属小、実証研究を総括

 みんなのコードは2023年4月27日、宮城教育大学附属小学校と共同で実施している「コンピュータサイエンス(CS)教育」の2022年度報告書を発表した。3年間にわたる実証研究の総まとめとして、児童の姿や意識の変化、実証研究からみえた課題等を総括している。

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コンピュータについての勉強は、大人になったとき、役に立つと思うか
  • コンピュータについての勉強は、大人になったとき、役に立つと思うか
  • パソコンやタブレット等のコンピュータのことを勉強することは大切だと思うか
  • 2022年度の6年生(現中学1年生)の声
  • 2022年度版系統表

 みんなのコードは2023年4月27日、宮城教育大学附属小学校と共同で実施している「コンピュータサイエンス(CS)教育」の2022年度報告書を発表した。3年間にわたる実証研究の総まとめとして、児童の姿や意識の変化、実証研究からみえた課題等を総括している。

 宮城教育大学附属小学校は、2020年度より教科として独立した「コンピュータサイエンス(CS)科」を設置。コンピュータの仕組みや情報の科学的理解を系統的に学び、デジタル社会の歩き方を児童自身が見出していくことで、確かな情報活用能力を育成することを目標に掲げ、CS教育の授業の実践・研究・カリキュラム開発を行う実証研究プロジェクトを2020年度から2022年度までみんなのコードと取り組んできた。

 3年間の実証研究では、低学年で体験的な学習を進め、中学年では体験的に学んだことを生かして情報の活用手段の幅を広げ、高学年ではこれまで培ってきたコンピュータとの適切な関わり方を生かしながら、身の回りの課題を解決するためのプログラムを作成。系統性を意識して各段階の学習を進めてきた。

 2022年度報告書によると、学年が上がるにつれてプログラムの制作にとどまらず、児童同士でフィードバックし、新たなアイデアが生まれ、自分の作品のブラッシュアップを行うことができるようになった。CSの授業を通して、自ら作りたいものを考え、創造的に取り組むことができるようになり、児童が課題解決やプログラム制作を自分ごと化して取り組んでいる印象を受けたという。

 児童アンケート結果では、「コンピュータの勉強は、大人になったとき、役立つと思うか」という質問に対し、実証実験を開始した2020年度より肯定回答の割合が増加。特に2022年度の6年生は、2021年度5年生だったころに比べて、「とてもそう思う」が74%から90%に増えた。

 2022年度の6年生(現中学1年生)を対象としたインタビューも実施。「CSの大きな学びとして、開発者側の大変さを知れた」「プログラミングを通して、たくさんの人とも関わることができ、コミュニケーション能力が付いた」等、児童の声を伝えている。

 さらに3年間の実証研究からみえた課題には、「系統表に項目として示されている要素の内容のより正確な理解」「高校の情報Iへの接続も見据えたカリキュラム構成の検討」「幼稚園からの接続の点からも、低学年での扱い方について検討の余地がある」の3点をあげている。

 実証研究のプロジェクトメンバーのうち、宮城教育大学附属小学校の滝野澤清史校長は「今後はこれまでの成果と課題を踏まえ、附属学校の特性を生かし、幼小中12年間を見通した小学校段階における情報活用能力の育成に向けた取り組みを進めてまいります」とコメントしている。

《奥山直美》

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