日本学生支援機構(JASSO)は2022年12月22日、「大学等における学生支援の取組状況に関する調査(2021年度)」の結果を公表した。新型コロナウイルス感染症に対応した学生支援については、9割が「修学支援(教務・学習関係)に関するもの」だった。
「大学等における学生支援の取組状況に関する調査」は、大学・短期大学・高等専門学校における学生支援の現状やニーズを把握することが目的。調査時期は2021年9月1日~10月8日。回答校数は1,162校(大学798校、短大307校、高専57校)。なお、大学には大学院大学、短期大学には短期大学部を含む。
学生支援のための全学的な方針を作成した領域については、「学生支援全般について」が大学全体で81.2%、短期大学全体で81.1%、高等専門学校全体で77.2%と、各学校種とももっとも高くなっている。ついで、「キャリア形成支援について」「学生の生活支援について」が続いた。
学生支援の成果(好影響)として期待することについてもっとも高かったのは「学生生活における支障・困難の除去」で、大学全体が96.7%、高等専門学校全体は94.7%となった。短期大学全体では「正課の学修成果の向上」が95.1%ともっとも高くなった。
学生支援を進めるための方策や課題について、大学全体では「入学から卒業まで一貫して学生をサポートする体制が必要である」、短期大学全体では「学生支援に係る教員の能力・スキル向上が必要である」、高等専門学校全体では「学生支援を全学で取り組むための体制・スタッフを充実・強化したい」の割合が最多となった。
学生支援において特に重視すべき領域においては、大学全体および短期大学全体では「修学・学習支援」、高等専門学校全体は「学生相談」がもっとも多かった。学校種間の差をみると、もっとも開いているのは「就職支援」で、短期大学全体と高等専門学校全体の差が46.7ポイントとなっている。
新型コロナウイルス感染症の流行に対応した大学等の特別な学生支援は、調査したすべての領域で高い割合で実施。各学校種ともにもっとも高かったのは、「修学支援(教務・学習関係)に関するもの」で、9割以上となっている。ついで、大学全体と短期大学全体で「経済的支援に関するもの」が9割を超え、高等専門学校全体も8割以上となっている。また、学生生活に関する行動基準の策定状況は、全学校種で8割以上が策定し、課外活動についても全学校種で8割以上が策定している。
さらに、課題については、大学全体と短期大学全体で「学生支援に対応するスタッフの量的な不足」が最多。高等専門学校全体では「新型コロナウイルス感染症への対応に関する適切な知識やスキルを持った人材の不足」がもっとも高かった。
Webサイトでは、「調査結果(単純集計)」および識者による調査結果の「分析報告」、学生支援に関して特に熱心に取組みを行っている大学等や先進的な取組みを行っている大学等についての「実地調査報告」を掲載している。