大阪市教育委員会は2022年10月11日、大阪市立小学校1校において全児童159人分の文書「家庭連絡票」を紛失していたことを明らかにした。家庭連絡票には、児童の名前や生年月日、住所、家族構成等の個人情報が含まれていた。
大阪市教育委員会の発表によると、10月4日午後3時ごろ、大阪市立小学校の教員が「家庭連絡票」を使用するため、保管場所である職員室内のキャビネットを開けたところ、「家庭連絡票」のファイル6冊すべてが見当たらないことに気付いた。
同校では業務時間中、「家庭連絡票」を職員室内のキャビネットで鍵をかけずに保管。教員が自由に取り出せる状態になっていた。なお、同日午前10時半に教頭がキャビネットを開けた際は、ファイル6冊すべてがあることを確認していた。
「家庭連絡票」には、全学年・全クラスにあたる児童159人分の名前・生年月日・住所・保護者連絡先・家族構成・配慮事項・家族不在時間帯・緊急連絡先・通学路が記載されていた。
紛失判明後、同校では10月9日までの6日間にわたり、教職員が校内を捜索したが、発見できず、10月11日に校長が警察に遺失届を提出するとともに、複数の教員が各家庭に連絡。10月12日に保護者説明会を開き、校長が経過を説明し、謝罪する予定。
大阪市教育委員会は、紛失の原因について「家庭連絡票を保管しているキャビネットを常時施錠していなかったこと」と指摘。「これまでも各校に対して個人情報の管理の徹底を指導していたにもかかわらず、このような事案を起こしたことについては深く受け止めております」とコメントしている。
この学校に対して、個人情報管理に関する校内規定をあらためて全教職員に周知し、「家庭連絡票」等の個人情報を含む文書を使用・返却する際は複数人で必ず確認するとともに、保管場所は常時施錠するよう管理を徹底。各学校に対しても「家庭連絡票」の取扱いについて注意喚起を図り、個人情報の管理の徹底とさらなる意識の向上について指導し、再発防止に努めるとしている。