子供の思いと教師の思いの
すれ違いが発生
学校では、国語や算数等の学習だけでなく、人間関係等も学ぶ場だとされています。その点で学習塾との違いがあります。ただそういった指導も場合によっては問題が発生することもあります。
小学校等、子供の年齢が小さい学校の教師は、子供の生活面に対する関わりが多くなります。「時間を守ること」「挨拶をすること」「丁寧に作業をすること」「喧嘩をしないこと」等、どれも大切なことです。特に小学校1年生では、学校での生活の方法を学ぶということもあり、学習面、生活面で学ぶこと多くなります。
そういった中で問題となるのが、教師が子供に伝えた言葉等がきっかけとなり、子供が学校を嫌になってしまうことです。文科省の調査結果には、その難しさが示されています。教師が不登校の主たる原因だとされている割合は、不登校の児童生徒本人が調査に答えた場合は、約28%(小学校)となっています。しかし、学校(教師)が調査に答えた場合は、約2%(小学校)とされています。
文科省が実施するこういった調査では、多くの場合、学校(教師)が回答者となります。不登校になっている原因が自分(教師)であるとは答えにくく、教師以外のものが原因とされることが多くなります。そういったことが、上で示したように調査対象が教員と児童生徒と違うことで、大きく数値が違ってくることとなっています。
いじめや不登校等に関し、学校(教師)は自分たちの問題として意識しにくいということがあります。日々の子供との関わりにおいて、子供に嫌な思いをさせてしまっているということを認識しにくいということです。教師が子供に伝える内容は正しいこと(正論)であることがほとんどです。正しいことを伝えているのだから、自分がやっていることは正しいことであるし、伝わらない子供にはもっと伝えていかなければという思いになりがちです。そういったことによって、子供の思いと教師の思いのすれ違いが起こりやすくなります。
対応は慎重かつ丁寧、迅速に
学校に「授業中は肘をつくな、靴を脱ぐな等、些細なことで教師からいつも注意されていて学校が嫌になってしまった」という相談が届くことがあります。似たようなものも同様なのですが、学校としてはこのような相談は慎重に、丁寧に、迅速に対応したいです。先ほども書いたように子供がネガティブに感じていることについて、教師は少なめに捉えがちです。自分がやっていることに関する自負のようなものもあるでしょう。基本的には正しいことを伝えているからです。ただ正しいことであっても、状況によっては子供にとってつらいことになってしまう場合もあります。教師と子供の人間関係が壊れてしまったり、子供が学校に来ることができなくなってしまったりするような状況は、できる限り避けるべきです。子供が学校に来る(不登校にならない)ことだけが正しい訳ではないですが、基本的には子供が学校に楽しく来ることが望ましいです。そういった状況を作るよう学校は努力すべきでしょう。
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