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英語が伝わることを実感…多摩市立北諏訪小が取り組むAI搭載「Speaking Quest」の活用と効果

 東京都の多摩市教育委員会では「日本一英語を話せる児童・生徒の育成」を目標に掲げる。その達成のためにベネッセコーポレーションが提供するSpeaking Questを活用。その効果について聞いた。

事例 ICT活用
ヘッドセットを装着し、Speaking Questに取り組む児童のようす
  • ヘッドセットを装着し、Speaking Questに取り組む児童のようす
  • Speaking Questを活用した授業のようす
  • 多摩市立北諏訪小学校 國田将先生
  • 多摩市立北諏訪小学校 木下雅雄校長
 東京都の多摩市教育委員会では「日本一英語を話せる児童・生徒の育成」を目標に掲げる。その達成に向け、英語を話すことを通じてやり取りできる力を育成するとともに、将来英語を用いて活躍できる人材を育成することを目指して、英語の「話す力」の育成に重点を置いた英語教育施策の充実に取り組んでいる。

「英語が伝わると楽しい・嬉しい」と思える児童を増やしたい



 多摩市立北諏訪小学校では、2021年度より指導体制が大きく変わったという。小学校2年生から、「英語あそび」の時間を設定し、年間15時間の授業を開始。また、小学校2年生から6年生まで、英語専科教員や外国語指導の経験が豊富な教員が、指導を担当。単に「英語好き」な児童を増やすのではなく、「英語が伝わると楽しい・嬉しい」と思える児童が増えることを目指し、指導の工夫も行う。

 特に、「自分の話した英語が伝わった」という成功体験を積むことで、「自分も英語が話せる」という自信をもてるような指導を目指している。日々、授業を実践する同小学校の英語専科の國田将先生は、「私自身も、ただ『英語が好き』で終わってしまうのではなく、単語や文法を活用し、会話をすることで『自分の考えや気持ちが相手に伝わること』を実感してほしいと考えています。一方で、限られた授業時間の中で、児童ひとりひとりに話す機会をつくる難しさを感じていました。実際に、話す機会をつくることができても、児童が『人前で話すのが恥ずかしい』と感じ、うまく話せず、それが『英語はやってもできない』という気持ちを生み出し、英語嫌いにつながっていることを課題に感じていました」と語る。

多摩市立北諏訪小学校 國田将先生
多摩市立北諏訪小学校 國田将先生

Speaking Questで個々の児童が英語を話す時間を確保



 そんな中、同小学校ではベネッセコーポレーションが提供する「Speaking Quest(スピーキング クエスト)」を導入し、小学校5、6年生の授業で活用している。

 「タブレット端末を活用し、児童ひとりひとりに話す機会をつくることができ、よかったと思います。英語が苦手な児童にとっては、タブレット端末に向かって話すことで、話すことのハードルが下がります。周りの児童の影響を受けず、本人だけが回答するので、英語を話す時間がしっかりと確保できました。また、具体的な言語活動の場面が設定されているので、実用的なコミュニケーションを図ることができていました。現実に起こりうる具体的な場面の中で、話すことに挑戦し、『英語を話すことは楽しい』と思うことで、新しい自分を見つけることができる。Speaking Questはそんな可能性が広がっていくツールだと感じています」と國田先生。

 Speaking Questに取り組んだ児童に感想を聞くと、「英語を繰り返し聞くことができるので、自分がわかるまで発音を聞き直せるところが良かった!」「操作がしやすかったし、ストーリーがあるのが楽しかった」等、それぞれのペースで楽しく取り組めているようすが伺えた。

Speaking Questを活用した授業のようす
Speaking Questを活用した授業のようす

 授業を見学した同小学校の木下雅雄校長は、「Speaking Questを活用した授業を見たときに、児童たちがとても良い表情で外国語の授業を受けていたのが印象的でした。タブレットが1人に1台ずつ配布され、先生1人での一斉授業から、児童の習熟度や学習スピードにあわせた学習ができるようになったと思います。外国語の学習においても、ICTを活用した個別最適な学びが実現していくことを期待しています」と感想を話してくれた。

多摩市立北諏訪小学校 木下雅雄校長
多摩市立北諏訪小学校 木下雅雄校長

AIで授業内容の定着・評価の効率化を実現



 また國田先生は次のように話してくれた。「Speaking Questを活用することで、学習内容の理解を深めることができました。<練習モード>では、繰り返し『話す』『聞く』の練習ができるので、英語が苦手な児童でも少しずつ英語を聞き取り、話すことができるようになると思います。具体的には、2回以上は繰り返し挑戦するように児童には伝えています。これまで『話す』『聞く』の領域では、繰り返しの学習が難しかったのですが、<練習モード>を活用することで、効率よく進められるようになりました。中には、休み時間に『友達と一緒にやりたい!』と言う児童もいて、楽しく取り組んでいるようすでした。

 <テストモード>では、AIが『話す』ことの一次評価をしてくれるので、評価の参考にすることができました。AIの評価も、児童の録音を聞いた私の評価とのずれは感じなかったので、ひとりひとりの話す力を正確に測ることができていたと思います。テストに出題する範囲は、授業にあわせて教員が設定できますし、児童ごとにランダムに出題されるので、テストの公平性も確保されており、活用しやすかったです」

ヘッドセットを装着し、Speaking Questに取り組む児童のようす
ヘッドセットを装着し、Speaking Questに取り組む児童のようす

英語が伝わることを実感し、成功体験を積んでほしい



 多摩市教育委員会の鈴木悠平指導主事は、Speaking Questを活用する児童のようすを踏まえて、「児童の話す力がどれくらい伸びたかは今後注視していきたいと思いますが、まずは、児童がハードルを感じることなく、英語が話せるようになったと感じました。今後も『話す』ことに慣れ、英語でやり取りすることへの意欲や積極性が高まっていくことを期待しています。また、成果を検証して他の小学校にも伝え、将来的には市内全校で実施していきたいと考えています」と今後への期待を口にした。

 また、最後に國田先生は、「Speaking Questを活用し、ひとりひとりの英語を話す力を確認することで、その児童にあった声かけや指導が行えると考えています。そうすることで、児童に英語が『伝わる』ことを実感してもらい、たくさんの成功体験を積んでほしいです。外国語指導を通して、児童たちが中学校でも自己研鑽に励もうとする素地を育めるように、日々、指導をしていきたいと考えています」と、今後の外国語指導への意気込みを語った。 

東京都多摩市



 東京都の西部、多摩丘陵に位置。1971年に多摩ニュータウンの入居が開始されて以来、急速な発展を遂げる。「健幸都市(スマートウェルネスシティ)」等をテーマに、持続可能なまちづくりに取り組む。
人口 約14万8,000人 
面積 約21km²
市立園数 幼稚園0園
学校数 小学校17校、中学校9校
児童生徒数 約1万人

英語パフォーマンステスト「Speaking Quest」の詳細はこちら
《編集部》

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